ピンポーンッ









インターホンの音で目が覚める









ピンポーン、ピンポーン....










時計を見ると、まだ朝の6時





もう少し寝れるのに、誰だよとか思いながら玄関に向かっている時も、インターホンは鳴り続けた







「はーい?....わっ」






扉を開けるなり、白いものが抱きついてきた








「えっ?イワン!?」





白かったのは朝日に照らされた彼の髪の毛で、




名前を呼ぶとビクッとしながらも、抱きついてる腕に更に力を入れてきた






「ぃ、やだ....嫌だ!」



泣いているのか、嗚咽を漏らしながら必死に発している言葉の意味がわからず、



少し戸惑いながら頭を撫でれば、またビクッとしながら見上げて来た



「....何が嫌なの?」



「僕....マリンと別れ、たくないっ!」



言っている途中でまた目から涙を溢れさせているのを見て、



しまったと思った







「え、イワン、今日何月何日かわかる?」




焦りながら聞くと、何故か怯えたような表情になるイワン




「4月...1日?」


「うん、今日何の日かわかる?」



「ごめっ....マリンとの記念日なら全部覚えてるはずなのにっ....今日、わかんなっ....ごめんっ」




目からどんどん涙を溢れさせながら、
必死に謝ってくる彼....もしかして忘れているのだろうか?



「ううん、イワンごめんね」


「っ!やだぁっ!」



何を勘違いしたのか、必死に抱きついてくる彼に、とても申し訳なくなってくる....






「今日ね、エイプリルフールだよ?」




「っ!」



私の言葉を聞いた瞬間、顔を上げて固まる彼





良かった、気づいてもらえたか....と安心したのも束の間




「うぅ...マリンーうあぁぁん!」




再び泣き始めてしまった








あぁどうしよう、







私のほんの出来心で、彼をこんなにも傷つけてしまった






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