ピンポーンッ
インターホンの音で目が覚める
ピンポーン、ピンポーン....
時計を見ると、まだ朝の6時
もう少し寝れるのに、誰だよとか思いながら玄関に向かっている時も、インターホンは鳴り続けた
「はーい?....わっ」
扉を開けるなり、白いものが抱きついてきた
「えっ?イワン!?」
白かったのは朝日に照らされた彼の髪の毛で、
名前を呼ぶとビクッとしながらも、抱きついてる腕に更に力を入れてきた
「ぃ、やだ....嫌だ!」
泣いているのか、嗚咽を漏らしながら必死に発している言葉の意味がわからず、
少し戸惑いながら頭を撫でれば、またビクッとしながら見上げて来た
「....何が嫌なの?」
「僕....マリンと別れ、たくないっ!」
言っている途中でまた目から涙を溢れさせているのを見て、
しまったと思った
「え、イワン、今日何月何日かわかる?」
焦りながら聞くと、何故か怯えたような表情になるイワン
「4月...1日?」
「うん、今日何の日かわかる?」
「ごめっ....マリンとの記念日なら全部覚えてるはずなのにっ....今日、わかんなっ....ごめんっ」
目からどんどん涙を溢れさせながら、
必死に謝ってくる彼....もしかして忘れているのだろうか?
「ううん、イワンごめんね」
「っ!やだぁっ!」
何を勘違いしたのか、必死に抱きついてくる彼に、とても申し訳なくなってくる....
「今日ね、エイプリルフールだよ?」
「っ!」
私の言葉を聞いた瞬間、顔を上げて固まる彼
良かった、気づいてもらえたか....と安心したのも束の間
「うぅ...マリンーうあぁぁん!」
再び泣き始めてしまった
あぁどうしよう、
私のほんの出来心で、彼をこんなにも傷つけてしまった
[ 19/25 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]