「もっもしもしっ!」





「もしもしイワン?起きてた?」







「う、うんっ。ブランケット、ありがとう....」








帰る前に起こしてくれたら良かったのに.....







その一言がいえなくて.....








「あのさ、ホントは今日直接言おうと思ってたんだけど、」





「うん....」





「イワン寝ちゃったから今言うね?」





「うん....ごめん....な、何?」







嫌な予感がして、額に汗が流れた








部屋は寒いのに....








「私達、別れよう?」








「えっ?」









僕の周りの時間が一瞬、止まった気がした








何故こんな時に、嫌な予感が当たってしまうのか....







「最初から思ってたんだ。私じゃ、イワンには合わないよ」





「そ、そんなことないよ!僕はマリンのこと...」




「だってイワン、煙草だって苦手でしょ?デートでだって、私と何話して良いのかわかんなくなって黙ったり、無理に話合わせたり、喫煙所付いて来たり....」







「僕はそれでも良いからっ」







「良くないよ、結局耐えきれなくなって何度かデートドタキャンしたり、無理して合わせるくらいなら付き合わない方が良い。今までありがとう。次はちゃんと、自分に合う人見つけなね?」








今までになく優しい彼女の声に、







涙が溢れた







「なんっ......でっ.....なんでっ....うぅっ.....」








彼女が置いていった、ブランド物の、チェック柄のブランケットを抱きしめた







それには煙草の臭いの他に、彼女の匂いが残っていて....







「うあぁぁぁぁぁぁぁんっ」








僕の涙の量が増えていくばかりで、







僕は彼女を忘れられない








彼女が置いていったブランケットや、






何度か僕の家に忘れていったライター、







もう自分は着ないからと言ってくれたスカジャンがある限り、







僕は彼女を忘れられない








でも全部、捨てられない、捨てたくない







彼女を忘れたくないから.....








[ 10/25 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -