店の灯りも、街灯の灯りも消え、
月明かりさえも、雲が隠して
薄暗い世界が、私を包んだ
その時、黒い人達がやって来た
顔はよく覚えていないけど、
大きな体の、黒い人達…
「あーれ?お嬢ちゃん、ダメだろこんな時間に一人でいたら。間違えて売られちまうぞ?」
「はははっ。そーだぜ?特にお嬢ちゃんみたいなちーさい子は高く売れるんだからなぁ」
「ママが来るから…」
「マーマー?」
「あれ、こいつぁ、もしかして?」
「ママにここで待っていなさいとか言われたのかぁ?」
大きな体の黒い人達が私を囲む
「…うん」
「ははっ。お嬢ちゃんに良いこと教えてやろうか」
怯えながらうつむいていた顔を上げると
傷だらけの、怖い顔をした男が笑いながら言った
「ママは一生向かえになんか来ねぇよ。お前は捨てられたんだ」
「!!!」
「ひーっはははっ」
「良い顔だなぁ!!」
周りの男達は笑っていた
でも、私の周りの空気は止まっている気がした…
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