「ちょっと散らかってるけどな...」
「虎徹さん、これちょっとってレベルじゃないよ....」
「だっ!仕方ねーだろ...片づけるの苦手なんだからよ...」
家出少女名前を家に入れると、
俺はキッチンの方へ向かう
「TVつけても良いからな〜」
「虎徹さん!ゴミ袋ちょーだい!」
「おう!って、何に使うんだ?」
「虎徹さんにご飯御馳走になるお礼に、私が部屋片づけておくよ!」
「えっまじで!いいのか?」
「うん!」
「じゃあ頼んだっ!」
「できたぞ〜って、えらい綺麗になったなぁ!」
「片づけるのは得意だから!」
「そっか、やっぱ女の子だな〜」
「えへへ。あ!美味しそう!」
「だろ?俺特製のチャーハンだ!マヨネーズがよく合うんだぜ?」
「やった!チャーハンもマヨも、大好きなんだよね〜」
「そうか!わかってるな〜名前!」
「うん!いただきまーす!」
「おう!おかわりあるからな!」
「ん、美味しいよ虎徹さん!」
口いっぱいに頬張る少女を見ていると、うちの楓もおっきくなったらこーなんのかなーとか考えてしまう
そういや最近楓に会えてねーな...
「ねぇねぇ、その写真、奥さんと楓ちゃん?」
「おう!かっわいーだろ〜?」
「うん!奥さんも美人だね!どうして一緒に住んでないの?あっ、ごめん...」
口に出してから、聞いたらまずいと思ったのか、慌てる名前に苦笑しながら頭を撫でてやる
「あー気にすんな!俺の奥さんは病気で亡くなって、それから俺が仕事で忙しくて、あんまり楓に構ってやれねーから、実家に預けてんだ」
「そうなんだ...大変だね」
「まぁ楓には寂しい思いさせちまってるからなぁ....それより、どうして名前は家出したんだ?」
「...あのね、うちのお父さんったらちょっとした事でも文句言ってくるの。制服のスカートが短いーとか、学生が化粧するなーとかって...それで今日も色々言われて喧嘩になっちゃって、出ていけって言われて....うちもお母さんいないからさ....」
「そっか....」
「虎徹さんがお父さんだったら良かったのに」
「そう言ってくれんのは嬉しいけど、名前のお父さん、良い人だと思うぞ?」
「なんで?太るからってマヨネーズもあんまかけさせてくれないんだよ?」
「そーやってさ、お前の事考えて、心配してくれてんだよ。父親ってのは、特にお母さんが居ないとな、娘をどうやって育てて良いのか悩むこともあるし、不安になる事もある。それでも、親だからなぁ。しっかりしなきゃって思うんだ。だから、色々お節介で言ったり、趣味の合わないもの買って来ちゃったりすんだ。」
「そうなんだ....」
「おう。明日の朝家まで送ってやるから、ちゃんとお父さんと話するんだぞ?」
「うん...ありがとう虎徹さん!」
「おう!俺でよければ何時でも相談乗ってやるからな!」
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