マルコとエース

キスはしなかった。手も繋がなかった。それどころか何も言わなかった。でもただそばにいる、それだけで十分だったし、いつも眠そうなあの目が、俺を見てゆうるりと細められていく、それがたまらなくすきだった。穏やかな幸福とはこういうものだと、あの時俺は知った、知れたのだ。だから、なあ、俺のわがままをゆるさないでいいよ。欲張りたくなっちまうんだ。
しかし彼は嬉しそうに笑うのだ。

「わがまま言えよい、エース」

×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -