じんたんとめんま。短文まとめ


おやすみじんたん。そう言った声に、おやすみ、と返した。ここ最近おれはソファで寝ていない。ベッドで二人、背中合わせで眠る日々だ。背後で寝息(眠るの早いよな)が聞こえたのを確認して、眩しい月明かりを遮るように目を閉じた。ああどうか、朝日の中でまためんまを見つけられますように。

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触れるし話せるし見える(食事も睡眠もとる)し、ここに居て日々を過ごしているのに、めんまはもう死んでいるだなんて。目の前の現実と、めんまはもう生きて存在しないという事実に頭がくるいそうだ、いやもう既にくるっているのかもしれない。このままでいたいとおれは願っているのだから。

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じんたんじんたん。おやすみするならお部屋で寝なきゃ、ベッドに行こう? めんま? めんまもねぇ、一緒に行くよ、眠いからもうおやすみするもん。一緒に寝ようじんたん。
無意識にこぼした言葉に、めんまは、じんたん怖がりなの? と言った。しまった、という思いで何も返せないままでいるとめんまは笑った。 大丈夫だよじんたん、めんまが守ってあげる。怖くないよ、だから一緒に寝よう。 ばかだなめんま、おれが怖いのはおまえだよ。めんまがいなくなることがおれは。

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おれはこの夢が覚めることがこわい。

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夏の陽射しは眩しく強く照りつける。目に痛いコントラスト。足元には真っ黒な影。そんな中で汗もかかずめんまは笑った。じーんたーん置いてっちゃうよー。真っ白い足の下に影はない。

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ぼーっと座っていると後ろから目をふさがれた。その一瞬前に見たのは細く白い指。めんま。自分で作り出したそのひびきに何故だか涙がこぼれた。じーんたん。呼ばれて開けていく視界、目の前には笑う彼女。じんたん泣き虫さんだね。誰のせいだよばか。


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