いつか終わる事を望むのに、いつだって終わった後はもぬけの殻になる。何にだって。
一人がすきなくせに独りがきらい。そんな君がすきできらい。
ころしたくなるくらいには。

「手を貸せと言うなら喜んで貸す」
「要らない」
「そばに居ろと言うならそばに居る」
「そんなのはいい、俺の前から消えてくれ」
「それは出来ない」

要望を断れば苛立ちと安堵を覗かせる。消えてほしいならつけ入る隙を見せなければいいのに、その表情が離れがたくさせるんだと気付いているのだろうか。素直なのに素直じゃあない。勝手なんだ、君も俺も。

「俺の存在を認識したくないなら、空気のように扱ってくれていいよ」
「それは出来ない」

先程の俺と同じ台詞だった。けれど響きもこめられた意味の重さもまるで異なっていて、全く同じにはなり得なかった。同一になどなれない。どんなに共鳴しても、全てを重ね合わせることは出来ないから。
ずきずきと、ありもしない傷が疼くようだった。お揃いではないことがなぜこんなにもかなしいのか、俺にはわからない。

「空気無しに生きるのは無理だろう。身体の奥底まで浸蝕されたら……俺はどうすればいい」
「俺といればいいよ」

同一ではなくてもそばに居たら、かなしさは愛しさに変わるだろうか。君の吐く本音のように、さみしい色を含んだあたたかいものになるのだろうか。

「いやになるくらいずっとそばに居てやるよ、呼吸困難になってしぬまで」
「もういっそころしてくれよ」
「いやだね」

君も俺も大概勝手だから、きっと大丈夫。

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