母親のあたたかさと、承太郎の心の強さを持つ、彼女は太陽のような女の子だ。
「優しいね典明くんは」
「…そうでしょうか」
ぼくは物腰が柔らかだとか女性の扱いが丁寧だとか言われることは多い。しかし自分が優しい人間だとは一度も思ったことがなかった。それはあくまで物事を円滑に進めるためのものであったり、必要以上に他人を近づけさせないためだったり、無駄なトラブルに巻き込まれないようにするためであるぼくの上辺に過ぎないのだ。
彼女もそこしか見えていない他の人間と同じなのだろうかと、少し買いかぶりすぎたのかと、ぼくは少し残念に思っていた。
「あなたは承太郎の初めての友だちかもしれないね」
唐突なその言葉にぼくは逸らしていた視線を元に戻した。
「承太郎は不器用だからね。典明くんみたいな子くらいしか、あの子の傍で一緒にいられないのよ」
「……」
「見た目は正反対だけど、似てるもん二人は。典明くんも承太郎も水面下で、気づかれにくい優しい気持ちを持ってるんだわ」
典明くんはそれが特別友だちに対して強いみたいだけどね
頬杖をついて眩しく笑う彼女はやっぱり太陽のような、日陰すらも照らしてしまうような敬愛すべき女性だった。
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ホリィさん似の承太郎の姉