JOJO | ナノ





ポーカーフェイスで無愛想。スタンドの力や経験値は認めるが戦闘以外での協調性もないに等しい。せっかくかわいいんだからもっと愛想よくすりゃあいいのにと、しょーじき仲間の誰もが思っていただろう。



大怪我を負って旅をリタイヤしていた彼女が漸く歩けるくらいにまで回復したのは俺たちが大きな犠牲と共にDIOを倒した後だった。俺たちは彼女にアヴドゥルとイギーと花京院の死を伝えた。その時の彼女といったら、そりゃもう今まで見たこともないくらい絶望的な顔をして、なりふりも構わず泣き出して、それを見ていられなくなって抱き寄せた承太郎の胸でまた馬鹿みてえに泣く姿には、ジョースターさんも俺も承太郎も目頭が熱くならずにはいられなかった。
そこで初めて俺たちは彼女が自分たちと同じように仲間を尊敬し、愛し、大切に思っていたのだと強く実感したのだった。




あの旅から俺とネームはずっと一緒にいる。家族がいないもの同士は自然と身を寄せ合い、隙間を埋めようとした。
 
「思えばあんときに惚れたのかもなぁ」

「?」

「思い出してたんだよ、あの旅のこと」

ベッドに入ってきたネームがもぞもぞとこっちへ寄ってるから、腕をのばして彼女の枕にしてやった。
ネームは暫く俺の顔を眺めてから口を開いた。

「わたしたちはきっと死ぬまで、あの旅を愛して、悲しんで、大切にしていくんだわ」

沈黙で同意する。ネームは目を閉じていた。俺はそんな彼女の瞼にキスをして、同じように目を閉じた。あの旅を俺たちは忘れない。俺たち二人は恐らくこの先ずっと一緒にいるが、死ぬ時はそれぞれ別々に、あの旅を傍らに抱えて死んでいくだろう。






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