JOJO | ナノ





「わたしのこと好き?」

「…どちらかと言えば」

「ふふ、うれしい」

長い髪を揺らして振り向いた彼女は本当に嬉しそうに笑っていた。誰にも好かれて、誰でもやさしくあたたかく包んでしまう聖母のような彼女はなぜ、僕のような男に拘るのだろうか。

「なまえ」

側にハイエロを出現させて彼女を見つめる。もちろんなまえは微笑んだまま不思議そうに首を傾けた。彼女には見えない。もう何度も確かめたことだ。

「いいんだ、何でもない。ごめんよ」

すぐになまえは表情を曇らせた。他人の気持ちを読みとるのが上手い、優しい子だから。だからこそ、僕は怖かった。

「…僕は君のことは好きだけど、恋人になるつもりなんか無いんだ。君には他にもっと良い人はいるんじゃあないかな。だから、」

切り捨ててしまおうと思った。どうせ心を開かない僕に彼女はすぐに幻滅して傷つくだろう。いつだってそうだ。勝手に好きになられて、勝手に幻滅されて、勝手に女の子は傷ついていく。彼女のためには早い内に……

違う、本当は僕のために。


「わたし花京院くんが好き」

またなまえは優しく笑ってそう言った。

「でも僕は…」
「それでも好きなの!」

今日はもう帰るね!
名残惜しげなそぶりもなく、あっさりと僕に背を向けて彼女は走って行った。

「また明日ね!」

振り向いて手を振って、また走っていく。僕はその背中が見えなくなるまでずっと見つめていた。その日はなんだかずっと胸のあたりが痛かった。









スタンドが見えない女の子を好きになってしまって葛藤してたら素敵だなって




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