WORLD6(こんにちは新世界)
2013/05/28 00:05

二十七歳。
そろそろ落ち着きを、と友人に諭される年齢になってさすがの二人も思春期のような乱闘は少なくなっていた。
あの少年と青年の中間にいた不思議な時期から脱し、今では静雄も臨也も大人の男である。

二人の間には変化したものとそうでないものがある。
やはり腐れ縁は続いているし、何かあれば昔のように派手な喧嘩もする。
けれど徐々に訪れる変化もまた、確かにそこにあった。

その日は夏日で昼間の気温は初夏というより夏そのものだった。
夜になり、ようやく涼しい風が吹く。
窓からの風を心地よく感じながら、静雄と臨也は同じベッドにゴロゴロと転がり昔語りをしていた。
それはあの高校の屋上でのこと。

「俺の言ってたことは正しかったって認める?」
「…………」

得意げに囁く臨也を睨み、静雄は手を伸ばす。
彼の頬を撫でた。
臨也はくすぐったそうに目を細め、されるがままである。

「認めるんだ?」
「…………」

うるさい。
視線で告げると、彼は笑った。

あれから十年。
なるほど確かに自分たちは変化した。
あの頃にはありえないと思っていたことが現実になり、今ではこうして寝室で睦み合う程度には距離が縮まった。
昔はできなかったことも、今なら。



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