迷惑電話5
2013/04/05 16:26
(酒?)
なるほど、と思わなくもない。
確かに今の臨也の状態は酩酊の様相にも似ている。
要は酔っ払いかと、新羅は電話口に問いかけた。
「酒を飲んだの?」
『違う、酒に飲まれたんだって――あっ、こら!』
「?」
最後は自分に向けた言葉ではないのだろう、声が遠い。
「臨也?」
『ごめん、ちょっと待ってくれる? ああ、もう。おとなしく寝てると思ったのに、これだから……』
(???)
何やらあちらが騒がしい。
臨也は何事かをわめき、誰かに話しかけている気配だ。
嫌な予感がした。
『わかったわかった! 頭の上で会話されるのが嫌なんだな? じゃあスピーカーにするから』
彼の声が聞こえ、新羅は尋ねる間もなかった。
ピッ、と臨也が押したボタン音が響き――。
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