幸福宣言16(end.)
2013/03/08 20:15
あいつ、ほんとに痕つけると喜ぶんだよな。俺も嬉しいけど。
最初は遠慮とかしてたんだけどよ、こうもつき合いが長くなるとそういうのはなくなる。
最近は太腿のつけ根あたりに歯型つけたり、アソコの近くにキスマークつけたりさ。
ああいうの、いいよな。なんつーの? マーキング?
……って、また下ネタ悪い。あ、いいんだっけ?
「――いや、だから、めんどくせえって同居とか。焦ることもねえと俺は思うけどな」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
相手が男(臨也)であることは伏せつつ、この話を同僚の独身男組との飲み会でしてたら、全員からすげえ目で睨まれた。
おいおい、マジで殺気立ってんじゃねえか。せっかくの酒の席だってのに。
つーか、いつもは俺にビビッて挙動不審な奴さえ、今は親の仇みてえに睨んできやがる。その根性、仕事で見せろよ。
何が不満なんだよ。俺だって同居はしてるが、結婚はしてねえ。仲間だろ。
独身の気ままさと寂しさについて語らってたはずじゃねえのか。
まあ、俺は寂しくないけど。恋人いるし。
「……爆発しろ、ちくしょう」
誰かが呟いた。
それに同調するように、全員が大きく頷く。
まったく、なんでだ?
(end.)
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