幸福宣言14
2013/03/06 05:37

甘噛みしたり吸いついたりしていると、くすぐったかったのか、臨也は小さく笑う。

「ずるいのはどっちだよ」
「口下手なの知ってるだろ」
「ま、だからこうやって派手に暴れたんだしねぇ」
「そういうこと」

顎を掴まれ、唇が重なった。
やわらかな感触はささくれていた気持ちを癒す。

「……仲直り、する?」
「……したいな」

聞かれてようやく、答えることができた。
息のふれ合う距離で囁き合うのは楽しい。
臨也の頬にすり傷がある。指先でなぞると、彼はくすぐったそうに笑った。

「どこでする?」

聞かれて俺は考えた。
奇をてらうのもいい、クローゼットとか、床とか、キッチンとか。
不便は不便だが盛り上がる。玄関でしたときは汚れたけど楽しかった。
でも、今日は色々暴れたから――。

「ベッドにしようぜ、そのまま寝れるし」
「いいよ、行こう」

俺は我慢できず、臨也の体を抱き上げて部屋を出た。



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