冬の妖精さん3
2012/12/13 14:01
コーヒーにミルクをたっぷりと入れたカップを、臨也は静雄に手渡した。
「はい」
「ん」
「甘いの好きだね」
すると静雄は口が忙しいのか、手でケーキを示す。
おまえも喰え、ということらしい。
「いただきます」
「ん」
臨也は勧められた小さなケーキを皿に取ってフォークを刺した。
口の中で淡い甘みが溶ける。胸焼けを感じさせない上品なクリームは、自分でも数個食べられそうな気がする。
「うん、おいしい」
「ん」
返事はやはりおざなりである。彼の意識は目の前のケーキだ。
こちらもケーキを堪能していると知ると、静雄は満足そうに笑い、あたたかいカフェオレをすする。
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