冬の妖精さん2
2012/12/10 09:48

臨也が飲み物を手に戻ってくると静雄は待ちきれなかったのか、もう二つほど食べたあとだった。
ちょうど三つ目に手をつけているところで、フォークは必要なかったとテーブルに置く。
もともと小さなケーキだからか、ほんの数口でケーキは彼の胃に消える。

「そういうの好きなわりにガッツリ食べるね。ためらいなく」
「……?」

かわいらしいケーキを鷲掴む姿はまるで熊のようだと、臨也はぼんやりと考えていた。

「食べるのがもったいない、とか言ってたじゃない。……ん?」

口をもごもごと動かす静雄を見て笑ってしまった。
言葉にならない言葉をくみ取り、臨也は言う。

「気持ちと腹の空きは別物? まあそうだけどさぁ」



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