かわいいのね純情5
2012/10/07 00:17
「もう、勘弁して……」
「……なんだ、おい。ほんとにどうした」
赤い頬に目元、耳。そして、かすれた声。
珍しいと思う。そして同時に、あまりに普段の彼とは違う様子に尋ねてしまった。
「いや、特に何も……っていうか、それはこっちの台詞」
なぜ急にそんな恥ずかしいことを、と言われてしまった。そう言われると、さすがに静雄も忘れていた恥じらいが顔を出す。
「お、俺はおまえが……」
どもりつつ、言い訳した。おまえがいけない。そんな、無防備な顔をするから、と。
すると臨也ははにかみ、
「率直な言葉っていうのも、嬉しいもんだね」
囁くように言った。
「シズちゃんは言葉の安売りはしないから、特に」
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