お客様は神様です3
2012/10/30 09:37

静雄はこういった場所に普段は来ないらしい臨也を連れてきたことに、今さら不安になってきていた。
口に合わないかも。こういう雰囲気は好きじゃないかも。心配は尽きない。
まるで初デートを迎える学生のようだ。
しかし、悲しいかな。今の自分も臨也も、とっくに成人した、いい大人だ。

(こいつがどこでもいい、とか言うから)

文句を言うなよ、と心の中で念じ、席につく。
やってきた店員に静雄は甘いカクテル、臨也はビールを注文した。
どこにでもある、金曜の夜。
この時点ではまだ、静雄も臨也も、そんな一般大衆のうちの一組だった。



prev | next
memo top


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -