遠からずの未来7
2012/10/25 09:03
静雄は「なんだその発想」と思うと同時に「なるほど」と納得もしていた。
そういえばドラマで見た新婚家庭もこんなふうだっけ、なんて。つい自分もつられて妄想する。
(新婚も何も、つき合って半年もたってねえってのに)
妄想が先走っている感がいなめない。
しかし、こういうものなのかもしれない。浮かれて、馬鹿なことを考えて、幸せで。
恋人の定義は様々だろうが、静雄には確かにこれが恋だと自覚できている。
「お風呂にする? ご飯にする? それとも――」
「メシ作るって話だったろうが」
軽口をやめない臨也の足を蹴る。
脱線するな、と言っても顔が赤くなっている分、説得力は低いかもしれない。
「なんだか小腹が空いちゃって」
臨也は調理の途中だというのに、手を洗い、タオルでその水気を取った。
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