遠からずの未来3
2012/10/21 04:59

「おまえ料理できたっけ?」
「まあ、それなりに」

のんびりとした返答に、静雄の心に少しばかり、からかいの気持ちが湧く。
男の一人暮らしはお互い様だ。

「大丈夫かよ」

わざとらしく眉を寄せて言えば、臨也は肩をすくめた。
もちろん、口のたつ男は言われっ放しのわけもなく。

「シズちゃんよりはね。ていうかわからなきゃ調べればいいし……それでどう失敗するっていうの?」

分量や手順を示されて、間違えるほうが難しい。
もっともと言えばもっともなことを、余裕の表情で切り返してきた。

「…………」

口ごもるのは、レシピがあっても失敗してしまう自分を揶揄されたせいである。



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