遠からずの未来2
2012/10/20 18:57

臨也と恋人になったのはごく最近で、家を行き来するようになったのは、ここ一か月のことだった。
相手の生活リズムをよく知らないまでも、一緒にいる時間は徐々に増えてきている。
食事を共にする機会は多々あったが、こうやって手料理を振る舞われるのは初めてに近い。
だから少し、緊張もあった。
なんだか世間一般で言われる恋人のようなことをしている。そんな、むず痒さとでも言おうか。

「何食べたい?」
「ドリア」
「了解」

静雄にとって、外食でない久々の食事でもあった。
ここ一週間、ファストフードの夕食ばかりだったせいもあって、気持ちが浮き立つ。
臨也の問いかけに、静雄は即答した。まるで答えを用意していたような早さに、臨也は笑っている。
つい先日、テレビ番組で紹介されていたドリアが静雄の頭にあった。
とは言っても、ここはレストランではない。言っておいてなんだが、と臨也に目を向ける。



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