適正距離=ゼロ4
2012/10/13 00:10
座っては納得がいかず、立ち上がっては移動。それを何度も繰り返す。
結局。
「――ほら」
「……うーん」
はじめと同じように、ピッタリと密着した状態に戻ってしまった。
なんだか恥ずかしくなって、静雄は自分の膝に視線を落とす。
これ以上なく近く。ほんとはもっと近くでもいい。それこそ、布一枚挟まないような。
(……頭、沸いてんな)
そんな願望は変じゃないかと、つい自問してしまう。すると、臨也が声を上げて笑った。
どうやら口に出していたらしい。
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