WORLD7(こんにちは新世界)
2013/05/29 03:11

静雄は無言のまま臨也に顔を近づける。
唇を重ね、彼の舌をくすぐる。
もはや慣れた動作だ。羞恥もなく、ただ心地よさに酔う。
あの頃はできなかったこと。
それを今は当然のようにできている。

「世界が変わったって実感すること、ある?」

臨也に尋ねられ、静雄は苦笑した。

「おまえといるといつも思うよ」
「俺も」

同じように笑う彼が高い鼻梁をすりつけてきた。
昔よりも男くさくなった彼の顔は相変わらず綺麗だ。
あの頃の中性的な妖しさは薄らいだが、代わりに雄々しさや渋みが加わっている。

「変わったな」
「俺が?」
「女みてぇなとこあったろ、昔は」

そういって静雄は臨也の輪郭をなぞる。
今も変わらず美人だが、時折見せる顔が酷く男くさい。
そういうところ、と囁く。

「シズちゃんは昔から男前だったよね」

笑いながら臨也が言う。
彼の長い指が静雄の無精髭をくすぐった。



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