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タルタロス

陸上装甲艦タルタロス


ジェイドと二人、朱髪と茶髪の男女を拘束した部屋まで歩く。朱髪の彼は私達が思っている通りであろうと推測し、彼がどれだけ話してくれるかを楽しみにしている。けれどジェイドは、あの手のタイプも嫌いな分類にはいる。世間知らずな我儘坊ちゃん、なんて私も嫌いだし。あ、でも推測通りなら、アニスが騒ぐんだろうな、なんて思ったりして。

『お待たせしてすみません』
「…いえ」
「かけてください」

大まかなことを説明し、彼はやはり敵国キムラスカの王族であると判明。アニスの目がガルドに変わったのは言うまでもない。私達に協力するか、否か決めたら呼ぶように言えば、だるそうに"わーったよ"と一言。口を噤んだままのティア。私とジェイドは部屋を出て、各々の師団の兵士に指示を出した。

『朱髪と、ロングヘアの男女を、自由に出入りさせる。威嚇するなよ』
「は、了解しました」

びし、と敬礼したのはライを筆頭に第1師団で、第3師団の兵士はジェイドをじっと見つめていた。何時間かして、マルコから伝言で朱髪…ルークから取り次ぎを頼まれたと言われた。くすりと笑ってジェイドの前を歩いていると"嬉しそうですねぇ"と一言。別に嬉しいわけではないけれど、事がうまく運ぶのだから悪いことではないし。

部屋にはいると、ルークとティアが椅子に座っており、机を挟んで私達が立つ。手を後ろに組みながら、ジェイドが話し出した。

「昨今局地的な小競り合いが頻発しています

恐らく近いうちに、大規模な戦争が始まるでしょう」
『ホド戦争が休戦してから、まだ15年しか経っていませんし』

次いで、イオンがピオニーが提案した"平和条約締結"の親書を送る、といい自分が中立であるということを説明した。ルークは、イオン様が行方不明、ということになっている理由を問うも、教団の内部事情が関わっている、次いでジェイドが、導師派、大詠師派があると発した。モースが戦争を望んでおり、自分が軟禁から逃れるために、と言えば、大詠師直下の情報系部隊に属するティアが反論した。

それから、ジェイドの態度が気に食わなかったらしいルークが、礼儀がどうの、云々と我が儘が始まった。

「やれやれ、」
『ジェイド、やめて』

言った彼のしようとすることを理解した私は、ジェイドの腕を引いて止める。こちらを見下ろすジェイドに首を振れば溜息をつき、元いた場に戻る。

「、中将!!」
「師団長!」

部屋にいたマルコ、ライが声を荒げた。(だから、私はジェイドの部下って設定だっての!!)なんてツッコミは今は置いといて、片膝を床につけて、頭を下げた。

『どうか、お力をお貸し下さい、ルーク様』
「…ふん、
お前、プライドねぇな」
『子供の我儘に一々腹を立てる程、安いプライドは持っていませんので』
「…わかったよ、かったりーけどな」

"伯父上に取りなせばいいんだろ"と溜息をつきながら言うルークに若干イラつくも、立ち上がりにっこりと笑みを浮かべてジェイドを見た、ら。

「ありがとうございます
私達は仕事がありますので席を外しますがルーク様はご自由に」
『なにかございましたら、兵士におっしゃってくださいね、ルーク様』

「呼び捨てでいい、キモいから」
『ふふ、わかりました
ルーク"様"』
「アース、行きますよ」
『はい、大佐』

ジェイドの後に部屋を出れば、頭を撫でられた。また、まただよこの人。目線だけ向ければ、少し怒ったような顔。珍しい、ジェイドがわかりやすい顔をしているなんて。

「王女ともあろう方が、」
『言わない約束でしょ』
「膝が、汚れてます」
『ちょ、』

先程の私のように片膝をついたジェイドに、溜息。結局してるし。ジェイドが、あんなクソガキ、じゃなくてお坊ちゃま、…ルークに頭を下げる姿なんて見たくなかっただけなのに、結局彼は頭を下げた、私にだけど。

「さて、仕事しますよ」
『…ファイト!』
「今は私の部下でしたよね?」
『鬼ー!!』


護りたいもの


(あのクソガキ)
(絶対シメる)



20110727

ジェイド大好き夢主←
これは決めてたのだ!←何

ジェイドの代わりに膝付けて、部下が本当の階級いうところ←
んで、後で部下を虐める、と←ちょま
それは番外で書けたらいいなー

おやすみなさい!
(am2:27)←

ひぐらのえ


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