TOA | ナノ


戦艦を取り戻せ!

gkbr。いつだか、妹が言っていた言葉。今のルークにはこの言葉が当て嵌まると思う。

敵に見つからないよう、気配を消ながら先に進んだ。たまに戦闘があるけれど、ジェイドとティアがささっと片付けてしまうから私とルークの出る幕はなくて。いや、私は戦闘参加できるけど、ジェイドがそれをさせてくれない。ライやマルコといい…過保護すぎる。私もいい歳だというのにまだ子供扱いされるなんてたまったもんじゃない。

直接ブリッジには行かない。真っ向から行くなんて愚かなことはしない、とジェイドがルークにいい、ちょうど上からも突入できるし、ハシゴを登りそこから行くことになった。


「アホ面して寝てやがる」
「ティアさん、すごいですの!」

ティアの譜歌で見張りの兵士を眠らせた。眠った兵士へのルークの言葉、声を弾ませて言ったミュウ。

「タルタロスを取り返しましょう」
『ティア、悪いんだけどジェイドに協力して』
「は、はい」

「俺は何をするんだ」
『ルークは私と待機
この兵士が起きちゃったら大変でしょう?』

"私一人じゃ心細いし"と言えば鼻を高くしたルークが仕方ねーな、と残ることに了承した。

「しかしまー、あんな攻撃でどうして寝ちまうのかねぇ」
『…ナイトメア』
「アース?」
『ティアの術は私やジェイドと格が違うの』
「第七音素ですの」

ルークは、何も知らない、知らなすぎる。仕方ないことかもしれないけれど、何も教えられずに軟禁されていたのかと思うと、この性格の歪みは仕方がないのかも、と思う。これから彼は、忘れられない出来事に翻弄される。それを、私は少しでも支えてあげなければ、

不意に、そう思った。また、まただ。記憶の片隅にあったコトを、だんだん思い出す。始まったから、なのか。

第七音素の説明をしだしたミュウに、よく分からないとミュウを振り回す。驚いたミュウは炎を、寝ている兵士にはいた。

『ちょ、ルーク!』
「、驚かせ、やがって!一生寝てろタコ!」

足蹴にした、刹那。
剣を振り、起き上がった兵士に焦り驚くルーク。

まずい、先程の黒獅子とのことでルークは"人"を切ること、その行為に怯えている。無理もないけれど、彼が成長していくには、必要なのかもしれない。

「し、死ね!!」

兵士が叫んだ。

「…ひ…く、くるなっ!」

焦り、それしかなかった。私が出ていいのか、彼にやらせるか。身体は、勝手にミュウを抱き上げ2人から少し離れていた。助けたい、助けてあげたい。ルークに、人を殺させるのは可哀相。そう考えても、身体は、違った。心の奥底では、ルークに試練を与えろと、叫んでいた。

戦闘になり、倒れ込んだルークは"来るな!!"と叫び、兵士を見ずに手に持つ剣で兵士を貫いていた。ごめん、ごめんねルーク。伝えることは出来ずただ、心で謝罪した。













「な、何が起きたの!?」

ブリッジから出てきたジェイドとティア。譜歌の効果が切れだした、と冷静にジェイドは言った。ルークは、己が人を刺したことに酷く動揺していた。


「人を殺すことが怖いなら剣なんて捨てちまいな。この出来損ないが!」

頭上から、声。ルークと同じ声に、眉を潜めた。上から突如、譜術が襲ってきた。ジェイドと私は避けたが、ティアとルークは、その場に倒れ込む。

「流石は死霊使い殿
しぶとくていらっしゃる」

ジェイドの後ろに避けた私は、兵士に殺せと命じた緋髪の言葉に声を発した、緋髪の向こうにいる髪を一つに束ねた女性に目を向けた。

『…魔弾』
「どこかの船室にでも捕らえておけ」

仕方なく、ジェイドと顔を合わせて頷いた。今は、それに従うしかない。


タルタロスの船室に閉じ込められた4人と一匹。イオンは神託の盾に連れていかれ、タルタロスにまた戻ってくるらしい。ジェイドが漏れ聞いた事を言えば、思わず溜息をついた。

「どうしました」
『兵士達は』
「…残念ながら」

タルタロスに、共に乗り込んだ兵士達。彼等の安否を知りたかった。けれど、私達ですら捕らえられたのだ。希望は、薄い。それは分かっていた。けれど、悔しかった。

私が、守らなければならなかったのに。私が生きて、ほかの兵士が死ぬなんて耐えられない。


「貴女のせいではありませんよ、ホマレ」
『…私のせいよ』
「違います」
『けど、』

ジェイドを見れば、冷めた、冷ややかな目を向けられた。後悔したって、もう遅い。お前は、上に立つ者だろう、と。ジェイドの言わんとすることは分かっていた。けれど、けれど!

『ライと、マルコ、は?』
「二人も、見ていません」
『生きてる、二人は』
「…何故?」

二人には、リヴァイヴをかけたのだ。何処かに、きっといる。

『二人には、再生術を…リヴァイヴを、かけた』

言えば、驚いた顔を、された。あまり人に執着しない私が、心を許せる存在。それが、ライとマルコだったから。

「…大佐、アース」
「なんですか?」

私と、ジェイドを交互に見てから言った。

「今、問うべきことではないとは思うのですが」

『私と、ジェイドの関係、かな?』
「、はい」

しっかりと私達を見据え、頷いた。ルークは、まだ動揺しているまま。


二人の関係



(いいよ)
(教えてあげる)




20110902

うあああああああ
また更新停止してたorz
スミマセ…!!!!

携帯をiPhoneにかえて、auとまってやっと最近使えるようになりまして。

また頑張っていきます!

ひぐら


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