『…なにしてるの、アルヴィン』
「、…なんだリティルちゃんか」
『質問、答えてよ』


マクスウェルであるミラに銃を向け、深い溜息をついた後に其れをしまうアルヴィンの後ろに、気配を消して近付いて声をかければ、珍しく驚いた様子のアルヴィンがいた。直ぐにいつもの調子ではぐらかそうとへらりと笑うアルヴィンに眉を寄せた。感情を隠し何もかもを嘘で塗り固めた彼に近付きたいのに、一線引いた位置にいる彼には到底近付けない。


『ミラを殺すの?』
「…さぁな」
『話してよ、アルヴィンの力に…っ』


顔を逸らすアルヴィンの前に立ち服を掴んだ。少しだけ、ほんの少しだけ願いを込めて。


「じゃあ、おたくも話す、か?」
『…なにを?』
「俺に付き纏う理由とやらを」


冷たい瞳。彼はこんな顔もするんだ。初めて向けられた瞳。感情の篭っていない、ただ向けられただけの。彼がアルクノアだと聞いたとき驚いたし、四象刃(フォーヴ)にミラが持っていたクルスニクの槍の情報を教えたときも、裏切り者と皆が言っても、私は、私だけは。―…私がアルヴィンに付き纏う理由?そんなの、私が、―…私が。


『好きだからよ、』
「おたくが?俺を?」
『そう、私が貴方を』

笑った彼はなんだか遠い場所にいるようで、近付きたい、その一心で。震える手を、彼の手を握った。するとぴくり、動いた彼の手。けれど振り払われることもなく、驚いた顔で私を見た。


『好きなの』
「…敵わねぇな」
『裏切られたっていいよ、嘘つかれてもいい』


"傍にいたい"そう言う前に抱きしめられて、肩口に額を当てて、くつくつと笑うアルヴィンに困惑。暖かい。こんなにもアルヴィンは暖かくて、本当は優しい。何か理由があるのは分かる、けれどいつか其れを話してくれる日まで。



ずっと、待っている



(俺も、お前が)
(それは本当?)
(さてね)
(むぅ、)



20111004

アルを書くと何故かシリアスになってしまう。
アルで甘いのが書ける日はくるのだろうか←

シリアスかギャグにしかならないw


ひぐら