最終決戦前。たまたまルークと最後の買い出しに出たときのことだ。
神妙な面持ちで歩くルークに、問う。
「決めたの、?」
「…あぁ。
俺にしか、できないことだから」
「本当に、いいの…?」
「当たり前だろ?
つーか、お前しつこいって」
「だって…!」
眉を寄せて面倒くさそうに頭をかくルークを見た。
本当は優しいって、知ってる。
本当は寂しいって、知ってる。
本当は怖くて、逃げ出したくて、泣き叫びたいんだって、知ってる。
強がることに慣れてしまったのね、頼ることを忘れてしまった?
貴方には仲間がいるじゃない、ティアやナタリア、ガイにアニス。ジェイドだって、嫌味の一つ零しても、絶対に貴方を見捨てないわ。
私だって、傍にいるじゃない。
夜中に一人で泣いてるの、知ってる。
怖いって言いなさいよ、生きたいって、死にたくないって言いなさいよ。
何よ、なんで
「独りで、逝く気?」
「な、んで、泣いて」
「答えなさいよ馬鹿!」
はらはら、涙は勝手に溢れ出す。
独りは怖いって言いなさいよ、辛いよ、嫌だよって言いなさいよ、そしたら、そしたら私
「そりゃ、独りは怖いよ」
「なら、!」
「けどさ」
眉を下げて、頬に触れられる。流れる涙を親指で拭われて、見つめ合った。
「俺が死んで、世界が、皆が。
いや、…リティルが助かるなら、リティルが、幸せなら」
「…っ、」
「俺は怖くないよ」
優しく、まるで愛しいと言われているような。ルークに向けられた笑みに、あぁまた涙が溢れ出す。
馬鹿、馬鹿よ。
「帰って、くるんでしょう?」
「…どうだろう」
「帰ってくるって、約束しなさいよ」
「横暴だな、お前」
「帰ってこないと許さないんだから」
「わかったよ、約束する」
へらりと笑ったルークに抱き着く。"うぉっ"と声を上げるも鍛えられた身体に難無く抱き留められて、きつく抱きしめられた。
「好きだよ」
「…知ってるわよ」
「リティルは?」
「アンタが帰ってきたら、言う」
「はは、じゃあ絶対帰ってこなきゃな」
当たり前じゃない、だから約束したのよ。ちゃんと、"私も好きだ"と言わせてよ、ずっと、ずっと待ってるから。
好きだと言わせて
(キス、していいか?)
(…聞かないでよ、ヘタレ)
20120108
ルーク好きーさんとお近づきになれた記念に\(^O^)/
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