「冬島さん、当真借りてくね!」
学校終わりの当真が入ってくると思ったら、その同級生の澪が当真と一緒に現れた。
「あいよ。デートか?」
いつものようにからかうと案の定、必死な弁解が返ってくる。
「違います!!追試ひっかかり過ぎなんで勉強会するんです」
「っていうのは口実で、ほんとはデートで、痛って」
「バカなこと言ってないで早くいくよ!荒船も待ってんだから」
「はぁ?あいつも居んの?聞いてねえよ。二人っきりかと思ったのに」
「なんで私があんたと二人っきりで勉強教えないといけないのよ」
「なんでって俺のことが好きだから?うっわ痛って。本気で殴っただろ」
「当たり前じゃん!何変なこと言ってんの」
「変じゃねえし。ほんとのことだろ」
「違う!ぜったい違う!」
これはもう完全に俺がアウェーだな。いいから早く勉強会へ行けよ。
澪ちゃんも早く認めればいいのに、当真の言い方もいけないんだろうけどな。
「はいはい。何でもいいけどおじさん邪魔かい?」
「だから、冬島さん違いますっ!」
被害者 冬島慎次