雪間の花蜜、ひとしずく(5)
「ーよし。よく読めたね。
よくできました」
武市さんの、合格の言葉に。
ーぱぁあっ、とほっぺが緩んだ。
「それじゃあ、ひと休みしようか」
「あ、私っ、お茶入れてきますね!」
ー座布団をふたつ並べて。
熱めの渋茶を注いだ湯呑みを
間に置いて。
勉強の合間の、ふたりのひと休み。
間には、柔らかなふかふかの茶饅頭…。
「ん、んん〜!!…おいし〜っっ!!」
ー私は。とろけるような絶品のお饅頭の
美味しさに、思わず感嘆の声をあげた。
「よかった…ゆっくり食べるといい」
ーふわりと微笑んで。
武市さんは湯呑みを取り上げた。