あまさ、ひとつぶ(2)
「ぷー、ぷー…ふう〜」
私は、一生懸命に
お風呂の下を焚きつけている。
この時代は、焚きつけた薪を燃すには
火吹き竹と言って
節を抜いた竹で息を吹き込まないと
いけないのだ。
が。
「ぷー!!ふ…」
…息が切れてきた。
あー、どうやったら効率よく火がつくのかなぁ…。
これは、なかなかコツが必要で…。
まだまだ上手く焚きつけることが
できないでいる。
「う〜…難し…ー!!!」
ー途端に。
息が止まるかと思った。
ー肺の中に、異物が流れ込んだ感覚に
私は激しく咳き込んだ。
「っ!!ごほんごほんっ!!げほげほっ!!ごほん!」
ー私は思わず竹を取り落として
膝を付いた。
「げほげほ…っ!!」
め…目から涙が出てきた…。
失敗の原因は…火吹き竹を
くわえている時に、うっかり息を
吸い込んでしまったせい…。
く…苦しい…。
私…どうしてこう、ドジなんだろ…
トホホ…