肩から伝わる想い

画廊の落書きと合わせてお楽しみください♪(^^)


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任務明けの次の日、ようやく重なった休日。
ナルト部屋で過ごすことに。
外は寒いけれど、部屋の中はほわんと暖かい。

カーペットの上で二人並んで座っている。
ヒナタは小説を読み始め、ナルトもヒナタに勧められた本を読もうとする。
段々退屈になってきて、ヒナタにちょっかいを掛けるが、彼女は本に集中してしまっていて、気が付かない。

口をとがらせ、ストーブにかけている小さな鍋を手に取る。
牛乳を温めていたのだ。
それを2つのマグカップに注ぎ、それを持ってヒナタの隣へ座る。
前にあるテーブルに、そっと置くが、彼女は微動だにしない。

もうあきらめて、彼女が本を読み終わるのを待ちながら、まだ熱いホットミルクを飲む。
一口口をつけると、じわりと広がる甘い味。
自然と眠気も襲ってきて、うとうととしてくるナルト。

完全に眠りに落ち、ヒナタの方へぽんっと頭をのせる。

突然かかった左肩の重みに気が付き、ヒナタは本から隣にいるナルトへ目線を移す。
静かに寝息を立てている彼に薄く微笑み、ヒナタは本をパタンと閉じた。
肩から伝わる重み、そこから伝わる彼の想い。

ちょっと意地悪しちゃったかな。

そう思いながら、ヒナタは右手でそっと彼の髪をなでる。
一瞬起きたような動作をしたが、ナルトはまた静かな寝息を立て始めた。

ふと甘い香りがした。
目の前のテーブルに、白い湯気を立てたマグカップが置かれている。
本を読み始める前、彼が寒いだろうと言って温めてくれていたホットミルクだった。

彼の優しさを改めて感じ、ヒナタは撫でていた右手をマグカップに伸ばした。
一口飲むと、ふわりと広がる彼の優しさ。

それは、部屋の暖かさよりも、ずっと自分を暖めてくれる。




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