マッサージ
「〜〜〜っ」
「ナルトくん、我慢して…ね?」
そう言ってヒナタは容赦なく突いてくる。
彼女の指が皮膚に触れるたびに激痛が走った。
勘弁してくれと懇願するがヒナタは首を横に振り、無言でナルトの皮膚に手を這わせる。
彼是30分。
いくら修行で痛みに慣れているとはいえ、やはり痛いものは痛い。
拷問と呼べるこの時間が、幸せなようで辛い。
「ヒ、ヒナタ…ッ!ほ、本当に勘弁してくれってばよ!」
「ダメだよ?明日の任務に支障を来たしちゃうでしょ」
「ひぃぃっ!マジ、痛いってばよぉぉぉっ!」
足はしっかりヒナタによって固定されてしまっていた。
痛みを紛らわそうと、足以外、身体全体を使って暴れるが、ふと気を抜くと感じてしまう。
「…もう、だからあんな無理な修行をしないでって言ったのに…」
「で、でもよぉ。サスケに負けたくなかったんだってばよ。イテテテテテテッ!」
それほどきつく押されていないことは分かっているが、ほんの少し触れるだけで激痛が走る。
「筋肉痛は辛いってばよぉ」
「…今度からは、ちゃんと修行の後はストレッチしてね」
「………はい」
ヒナタのマッサージのお陰で痛みはだいぶ和らいできた。
逆に、心地よく感じて来ていた。
「はぁ〜。ヒナタにこうしてマッサージしてもらえるなら、やっぱり筋肉痛になるのもいいなぁ」
顎を腕にのせて、すっかりリラックスしているナルトを見下ろしながら、ヒナタは一息ついた。
「ちゃんとやることやらないとしないよ」
ヒナタは、にっこり微笑み、ナルトの脹脛(ふくらはぎ)を親指で押さえつけた。
「ぎょえぇぇええぇえぇええぇええぇえぇ!!」
end
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