「私、次サボろうかな。」


次は午前中最後の授業。
教室の前に来て思い出した。
好きな魔法薬学の授業をサボりたかった理由。


「ここまで来たのにサボるなんて馬鹿じゃないの?」


確かに自分でも馬鹿だと思う。
ここでブラックを見るまですっかり忘れてた。


「えー。だってグリフィンドールとの合同授業だなんて面倒くさいし。」


ブラック的な意味で。


「取り敢えず帰るから」


教室を出ようとした
…けど出れなかった。


「どこへ行くんですか?みょうじ」


入り口で先生と八会うなんてついてない。

「先生、ご、ご機嫌よう」


背後でベラが吹き出す声が聞こえた。


「ご機嫌よう。授業はじまりますよ、席について。」

「…はぁ。」


"具合が悪い"なんて理由もあるけど、なんか萎えちゃった。

渋々ベラの隣に並ぶ。
"サボるんじゃなかったの"ってベラの嫌味に本気で"うるさい"と思った。


「あ」


斜め前にブラック。
こんなについてないことって、滅多にない。


仕方ないから気付かれないように下を向く。やばい周りがあんまり見えない。

グラつく鍋。
"危ない"と思った時には遅かった。
鍋を止めようと掴もうとしたけど、私が無駄に火傷しただけ。
鍋は前に倒れた。


「熱っ」

「大丈夫!?」


急いで駆け寄る。
顔を見たとき頭が真っ白になった。


「リーマス大丈夫か!?」


ブラックも駆け寄ってきた。
"リーマスって名前なんだ"なんてこんな時に考えてしまう自分最悪。


「ごめんね、本当にごめんなさい!」

「いやいや大丈夫。」

「で、でも大丈夫じゃないよ」


リーマス君の苦笑いを見てもっと申し訳なくなった。
よりによってリーマス君にだなんて。

周りもざわめいてきて、先生も駆け寄ってきた。
もう、関係ない人はあっちに行ってよ。
事が大きくなるにつれて辛くなってくる。


「みょうじ、ルーピンを医務室に連れて行きなさい」

「は、はい」


私でいいのかしら。
でも、他の人に任せても私は罪悪感が拭えない。


「立てる?」

「大丈夫だよ」


立ち上がったリーマス君と私は逃げるように教室を出た。



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