ただのバカップル
※微下ネタ注意



「あーー…うっ」


あくびしたらいきなり口に手を突っ込まれた。


「はんや!」


いたずらかと思ってみればまじめななまえの顔。


「はひふんへん!」


怒ってみてもいまいち迫力に欠ける声しか出ない。
そして返事もない。


「うぇっ」


なんだか吐きそうになって涙目になる。
情けないやないか。


「真子、痛かった?」


やっと口を開いたかと思えば意味のわからない質問。


「はんはや?」

「これ」


そういって舌の中央に開けられたらピアスを指でつつく。


「ははへや」


ピアスをまじまじと見た後満足したように手をのけた。


「あー、気持ち悪っ」


口の中が乾いて舌が張り付く感じが気持ち悪い。


「ね、痛かった?」


興味深々といった目でまた同じ質問を投げかけてくる。


「別に…」

「うっそだー!ホントは痛かったでしょ!」


なんやこいつ。


「ね、痛かったでしょ?」


半ば誘導尋問。


「ちょっとはな」

「でしょー!私も痛かったもん!」

「は?」


言った意味が分からずなまえを見ればニヤニヤしていた。


「まさかっ!ちょっと舌出してみぃ!」

「べー」


出したのは普通の舌。
どこにも穴など開いてない自分より短くてピンクの舌。
緊張がほぐれる。


「なんや、びっくりしたやないか。」

「ふふ」

「…」


チラリとまたなまえを見ればまだニヤニヤとしている。


「なんや」

「ほら」


なまえは髪を耳にかけて耳たぶを見せつけてきた。


「おまえっ!」

「いいでしょー」


耳たぶには昨日まではなかった異物。


「馬鹿かおまえはっ!」

「いいじゃーん」

「女が体に穴なんか開けたらあかん!」

「…」


突然静かになるなまえ。
なんで気まずい思いせなあかんのや。


「…だって真子とお揃いにしたかったんだもん」

「…」


よく見ればなまえの耳たぶについているのは自分の舌についているものと同じ。


「あ゛ー、でもなァ」

「…」


話かけても無視。
完全に拗ねてやがる。


「おいなまえ」

「…」


一回機嫌損ねるとなかなか直らないのがなまえ。


「なまえが大切やから、体に傷つけてほしくないねん」

「あっそ」

「あっそって…」

「こっちは真子のせいで体汚れてるってのーッ!」

「馬鹿っ!そんな大声で言うたらっ」


「全部聞こえとるわ真子」

「ひよ里っ!」

「ねー!ねー!どういう意味ー?」

「男が女の体汚すっちゅーのは」

「おいリサ!白に教えんな!」

「えーなんでよーっ!教えて教えて!」

「お前らうるさい!」




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