リーマス君とお出かけ…
それって、デートに入る?
いやいや、自惚れちゃだめだろ私。
リーマス君は友達として私を誘ってくれた訳だろうし。
そうは思いつつやっぱり思い出してはデレッとしちゃうんだよな。
こんなに思い通りに行くなんて後が怖いな、なんて。
夢じゃないよね?
そういえば週末まであと何日だっけ。
今日が木曜だから、金、土、日。
あれ?
折っていた指をまた広げて数える。
木、金、土、日…日。
「まじで」
思わず声が漏れた。
あと4日じゃないのよ!
結構あるように見えて、男の子とろくに出かけたことのない私が4日で心の準備ができるのか…。
それから重大なことに気づく。
準備が必要なのは心だけじゃないってこと。
服よ、服!
心とかより実際そっちが重要かも。
いや絶対そうよ。
頭の中で自分の服を思い浮かべてはみたけどしっくり来るものがない。
ふと
"年頃の女の子なんだからこういうのも着なさい"
ってママが小包を送ってくれたのを思い出す。
時間がなくて結局未開封のままだった。
"着なさい"だから中身は服よね、きっと。
ママありがとう!
中身は分からないけど。
早く部屋に戻って見てみよう。
部屋まで後少しの道のりを早足で歩き出す。
「あっ」
曲がり角を曲がったところでブラックと八合った。
今日起こることは、どれもこれも想定外なことばかり。
「よ、よう」
「…」
「…」
とにかく謝らなきゃ。
「ごめん」
「え」
そりゃそうなりますよね。
とっさに出た言葉は前振りなしに"ごめん"の一言。
これじゃ謝る意味もない。
「あれよ、この前の…」
「あ、この前俺にカボチャジュースぶちまけた事か」
「え、そんなこと…」
「してないよな」
「…」
「冗談冗談、いいぜそんな前の事」
「前のことっていつのことか覚えてる訳?」
「ホグズミートだろ?」
「あ、うん。ごめん」
「いいってば」
なんだかほっとした。
やっぱりいい奴なんだな、以外と。
「お詫びに…」
何だろ?
「俺と付き合う」
「馬鹿か」
「冗談だよ」
久々に見たブラックのニカッとした笑顔。
いい奴ってのは認めるけど、たまにうざいのも確かね。
「また仲良くしようぜ」
「嫌よ」
「素直じゃねぇな」
「黙れ」
会話の内容とは反対にお互い笑いを堪えていた。
「じゃあ」
「おう」
特に急ぐ用もないけど、これ以上一緒にいても、と思う。
それから私には部屋に帰ってやることがあるし。
なんと言えばいいかわからずに、ぎこちなく別れた。
部屋に帰って早速未開封のまましまっておいた小包をひっぱり出して、少々乱暴に包みを破く。
そんな私をベラが眺めていた。
「わ…」
「うわー、どうしたのそれ」
「ママが送ってきた」
「悪趣味…」
「うん…」
中身はこれでもかと言うほどレースを使った黄緑色のブラウス。
黄緑色って…。
「それ、どうするの?」
「いる?」
「絶対いらない」
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