ベッドに入ってからふと、リーマス君のことを思い出す。
この前リーマス君に会ってからそれがさらにひどくなった気がする。
違うこと考えようとしても、気づいたらリーマス君。
バタービールの製法について考えてたのに、いつの間にかリーマス君って一体私の思考回路どうなっちゃってるの?
割り切ったつもりだったのに、諦めの悪い自分にため息がでる。
昨日もやっぱりよく眠れなかった。
ベッドに入ってからが長い。
お陰様で絶不調。
典型的な寝不足。
今日の授業も上の空だったなぁ。
「もしもし、なまえさん」
「ん、」
誰かに肩を叩かれて、意識が鮮明になってゆく。
「大丈夫?もうすぐで閉館みたい。」
「あ」
図書館で宿題していたらいつの間にか寝ちゃってたみたい。
けっこうぐっすり寝ちゃってた気がする。
「今何時か分かる?」
「5時ぐらいかな」
「え、本当?」
「ええ」
外を見れば時間相応の暗さ。
嘘みたい、ここで1時間弱も居眠りしてたなんて。
それにしても知らない子に起こされるなんて恥ずかしい。
…知らない子?
そういえば私の名前知ってたし。
どこかで見た顔。
「あなた…」
「?」
だめだ、思い出せない。
「あ、私リリーよ」
リリー、リリー…
「あ、リーマス君の」
「ええ」
「彼女」
「え?」
リリーは顔に"?"を浮かべた。
何故?
「えっと…」
「…?」
「今、何て?」
「え」
「私がリーマスの彼女?」
「彼女、じゃないの?」
「えぇっ!?」
「わ、」
いきなりの大声に少し驚いた。
「私、リーマスとは付き合ってないわ」
ど、どういうこと?
「こう言うとなんだけど…私、彼氏いるし」
「へぇ…え?」
あれ、リリーには彼氏がいるけど、リーマス君じゃないと…
あれ?
「リーマスとはただの友達よ」
「そ、そうなの!?」
「ええ」
リリーはおかしそうに笑う
「仲はいいけど、ただの友達」
「そ、そんな…」
一気になんだか脱力した。
ということは…
今までのは勘違い?
ブラックにあたりり散らしたのも…
リーマス君を避けたのも…
私の勝手な勘違いの所為?
そういえば私はどうしてリリーがリーマス君とつき合ってると思ったんだっけ。
図書館で勉強を教えてたから?
ハニーデュークスで声かけたがら?
冷静に考えれば友達なら普通なこと。
「うわぁ…」
思わず声が漏れる。
私ってば、酷い。
とんだ勘違い女だわ。
「どうしよう」
「大丈夫?」
心配そうな顔で私の様子を伺うリリー。
この子いい子なのかも。
まぁ、スリザリンの私とはほとんど交流はないだろうけどね。
「大丈夫よ」
私は席を立って椅子を綺麗に入れた
「ありがとう」
いろんな意味でね。
「いえいえ」
とりあえずこれからどうすべき?
今夜も考え事で眠れなくなりそうね。
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