!in2011


「レギュラス君!」

「なまえ先輩。」

「ハッピーバレンタイン!」

「え」

「私からレギュラス君にプレゼント!」

「…」

「バレンタインは好きな人にチョコあげるでしょ普通!」

「いや、普通じゃないですよ」

「え、うそ」

「日本だけじゃないですか?」

「うっそ!カルチャーショックーッ!」

「声でかいですなまえ先輩、みんなこっち見てるんでやめてください。」

「ああああ」

「ちょ!」


なまえ先輩を黙らすために、口を手で覆った。


「ふふひー!」

「なまえ先輩が黙らないからです」

「はぁ、はぁ。せっかく作ったからまぁ、受け取ってよ」

「…」

「嫌なの?」

「嫌じゃないですけど」


だって…



「何よその言い方、もういいわ自分で食べる」


なまえ先輩は身を翻して歩き出す。
僕はなまえ先輩の背中に向けて杖を構えて呪文をそっと口ずさんだ。


「わ!」


なまえ先輩は肩をびくつかせて振り向いた。
そして僕にむかって突進してくる。

来た来た。


「レギュラス君!」

「どうしたんですか?」

「今歩いてたらこれ落ちてきた!」


なまえ先輩が差し出してきたのはシルバーリング。


「よかったですね」

「レギュラス君でしょ!」

「知りません」

「嘘つき!じゃ、これは何よ!」


なまえ先輩が僕の腕を掴んで僕に僕の指を見せつける。
薬指に同じシルバーリング。


「…落ちてきました。」

「…ぷっ」


仏頂面で答えると先輩は笑った。


「でも結婚指輪は反対の手よ」

「僕らまだ結婚はしてないじゃないですか」

「"まだ"?」

「えぇ、"まだ"」


先輩はまた笑った。
僕もおかしくて笑う。


「レギュラス君」

「なんですか?」

「これあげる!」


なまえ先輩が差し出してきたのはさっきの包み。


「自分で食べるんじゃないんですか?」

「一緒に食べよう!」

「結局なまえ先輩も食べるんですね」

「だって昨日味見したら美味しかったんだもん!」


今度は僕から笑った。
なまえ先輩も笑う。

「なんでさっきはチョコ受け取らなかったのよ」

「だって、先越されるの嫌だったんです」

「レギュラス君って意外と…」

「なんですか」


先輩はフッと今度は微笑んで僕の手をとって中庭へと歩き出した。



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