※2000キリリク!玖月さんへ



「レギュラス君睫毛長いね!」

「…」

「格好いい!」

「…」

「男前!」

「…さっきから褒めても無駄ですよ」

「むかつく」

「はい?」

「何でもないです」

「ですよね」


さっきからレギュラス君が怒ってる。
何故か分からないけど怒ってる。


「ごめんね」

「何故謝るんですか」

「だってレギュラス君が怒ってるから」


さっきからずっとこの調子。
怒ってる理由は分からないし、心当たりもない。


「怒ってるなら、理由は教えてくれなきゃ分からないよ」

「それはなまえ先輩が鈍いからです」

「そんなことないよ」

「あります」


一体私にどうしろと言うんだ。


「はぁ」


レギュラス君のため息が心に突き刺さる。


「なまえ先輩」

「なに?」

「あんまり…でください」

「ごめんごめん聞こえなかった」

「あんまり兄と親しくしないでください」

「え?」

「もう言いませんよ。」


いやいや、聞こえたけどさ。


「怒ってたのはそれが理由?シリウスとさっき話してたから?」

「話してただけじゃないです。兄に頭撫でられてましたよね。」
「そうだったっけ?」

「はぁ」

「レギュラス君…」

「何ですか」

「よく見てるね、私のこと」


だって、シリウスと話してたのは朝食の時でレギュラス君とはかなり遠いとこにいたから。


「たっ、たまたまです」

「レギュラス君」

「何ですか!」

「顔、赤い」

「熱いんです!」

「そっか」

「…」


いつも落ち着いてるレギュラス君が今日はやけに幼く見える。
すごく可愛い。


「レギュラス君」

「…」

「ねぇってば」

「なんですか!」

「ぎゅってしていい?」

「駄目です」

「じゃ、キスしていい?」

「駄目です」

「ちぇっ、ケチ」


「なまえー」


あ、シリウスの声。
声のした背後へ振り向いた。

でも、すぐにレギュラス君に肩をつかまれ半ば強引にレギュラス君へ向かい直された。


「ふ」


気が付けばあり得ないほど近いレギュラス君の顔。
そして唇にプニっとした感覚。


しばらくして、離れていくレギュラス君の顔はもうすっかり怒っているようには見えなかった。


「キスしちゃ駄目って言ったじゃん!」

「キスされるのは駄目って言ってません。」

「子供ね!」

「なまえ先輩に言われたくありません。」



long / top / short



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -