情緒不安定


「もう嫌い嫌い嫌い!」


なまえは身近にあったものほとんど全てを僕に向かって投げつけた。


「何で分からないの!?」


「…」


「セブルスなんかもう知らない!嫌い!」


嫌いと言われる度にちくちくと胸が痛んだ。
僕はなまえのこと好きなに。


しばらくの沈黙が続いた。


「どうして?」


なまえの目にはまた涙が溢れ出す。


しかし今度僕に向かって飛んできたのは、ティッシュの箱や置物じゃなくなまえ自身だった。

少し驚いたけど、そっとなまえを抱きしめる。
激しく泣いた後の不安定ななまえの息づかいが僕の胸から心臓へ伝わる。


「…ごめんな、さい」

「いいんだ」


君の事はわかってる


「私っ、また…」

「いいから」


感情をめったに表に出さないなまえは、たまにこうやって爆発してしまう事。


「お願いだ、から」

「うん」


それが、なまえの信頼してる僕の前だからって事。


「嫌いに、なら、ないで」

「うん」


僕のこと"嫌い"だなんてちっとも思ってない事。


「私、セブルスのこと、好きなの。だ、から嫌い、になって欲しく、ない。」

「大丈夫。」


一度ぎゅっと抱きしめた後なまえの肩を掴んで僕と目が合うように引き離した。


「なまえ」

「…」

「卒業したら結婚しよう」

「ほんとに?」

「ほんとだ。」

「私と?」

「なまえと。」



君が投げつける色んなものも、

君から溢れ出た感情も、

君自身も、

僕なら受け止められるから。


「僕にはなまえしかいないし、君には僕しかいない。」



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