「ちょっと」


廊下を歩いてたら誰かが誰かを呼んでた。
まあ、私じゃないでしょ。


「ちょっとあんたよ。」


もう誰だよ早く気づいてあげなよ。
声の主をチラッと見ればどっかでみたことある女の子。

なんか知らないけどこっち見てるし。
私?
違うよね、知り合いでもないし。
私の後ろにいる誰かかな。
あれ、誰もいない。


「だーかーら、あんただってばスリザリン女!」


指指してきた。


「私?」

「他に誰がいんのよ」


なにこの女。
初対面なのに失礼ね。
ムカつくから睨んどく。


「あ、あんたに聞きたいことあるのよ」


そう言えばこの子この前リーマス君達と大広間行ったときすごい睨んできた子じゃないかしら。
多分。


「何よ、さっさとして。あんたと違って忙しいの」


実は全然忙しくないけど。
むしろすごく暇だったとこ。


「あんた、シリウスの何なのよ」

「は?誰?」

「とぼけないで!シリウス・ブラックよ!」

「怒鳴らないで耳痛い」

「〜っ!」


口でも私の勝ちね。

そうか、ブラックはシリウスって名前なのか。
超どうでもいい。


「何って、何でも無いわよ。」

「何でも無いわけないでしょ!」


もうなにこの女。
猿かってぐらいキーキーうるさい。


「"何でも無いわけない"ってどうして言えんのよ?あんた何様?」

「なっ」

「ていうか、口喧嘩で私に勝てないのに、突っかかって来ないでくれる?暇つぶしにもならないわ。」

「うるさいわね!」

「というかブラック如きがそんなに好き?」

「それの何が悪いのよ!」

「まぁ、"類は友を呼ぶ"って言うしね。」

「何が言いたいのよ」

「つまり低脳男には同じ低脳女しか寄ってこないってことよ。お分かり?」

「馬鹿にしないで!」

「だって馬鹿じゃない。」

「う、うるさい!」


抵抗できなくなったら"うるさい"ばっかり。
あんたの方がうるさいっての。


「どうしたの!?」


馬鹿ってすぐ群れる。
低脳女の友達っぽいのが3人が寄ってきた。
というか全員ハッフルパフじゃない。
劣等生のくせに生意気ね。


「この女が…ううっ…。」


泣けばいいと思っちゃって。
友達も友達で"大丈夫?"だの何だの。
そういうの見てて反吐が出るわ。


「ちょっと、何で泣かしたのよ!」


中でも一番背の小さい目のつり上がった子が言ってきた。
あんたもキーキー言って猿ですか。


「何ってそっちがつっかかってきたからよ。」

「あんたが先にシリウスに手出したからでしょ!」


いやいや出してないし。
出したくもないんだけど。


「生意気なのよ!」


ドンッ


「痛っ」


背が高いのが私の肩を押してきた。
痛くないけどムカついた。
超ムカついた。
全員鼻が豚鼻になる呪いでもかけてやる。

ローブから杖を取り出す。
腕を振り上げる。
そして動かない。
何故に?


「まあ、落ち着けって」


振り向くと私の腕をつかんだブラックがいた。



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