マフィアごっこ


「ちゃおっす、なまえ」
「わあ、リボーンくん!久しぶりだね」
「そーだな、スーパーであった以来だしな」

放課後、今日は写真部の活動日なので部室に移動しようとして教室を出ると、そこにはリボーンくんがいた

「今日はどうして学校に?あ、沢田くんに用があるのかな」
「まあ、そんなとこだ。お前は今日部活か?」
「うん、今日は校内の写真を各自で撮ってきて、皆で見せ合うの」

そろそろ小さいけど大会みたいなものもあるし、皆張り切ってる。わたしも頑張らないと…!

「そうだ、今からツナたちが今おもしれーことやるんだぞ。それを被写体として撮ったらどうだ?」
「被写体かあ、いいかも。日常風景ってあまり撮ったことないし…お邪魔してもいいのかな?」
「オレが良いって言ってるんだから大丈夫だぞ」

何をするかはわからないけど見学決定です。いい写真取れるといいな





「ここだぞ」
「…校舎裏?」

なんでこんな所?ていうか何するんだろう

「え、みょうじさん!?なんでここに…」
「やっほー、沢田くん達」
「お、みょうじじゃん!今日部活じゃなかったのか?」
「そうだよ。写真撮りにきたの」

沢田くん達、って言うから誰がいるんだろう、と考えてたけど予想通り山本くんと獄寺くんだ。やっぱり仲がいいんだね

「あ?テメエは…」
「話すの初めてだよね?初めましてみょうじなまえです。一応同じクラスだよ」
「…ああ、オメー野球馬鹿の隣の席のやつだろ。んな奴が何でここにいんだよ」

おお、覚えてもらってた。まあ流石に友達の隣の席の人だったら顔くらいは覚えてるか

「オレが呼んだんだぞ」
「え、リボーンさんが!?」
「…あ!そうだよ!お前なんでみょうじさんと一緒に、てか知り合いなのかよ!?」

あれ、この感じはもしかして

「リボーンくん、わたしと会った時の事沢田くんに言ってないの?」
「ああ、忘れてたんだぞ」

そっか忘れてたのか、ならしょうがないよね

「いつ知り合ったんだよ…というか何でここに連れてきたの!?」
「なまえは部活の一環で写真を撮りに来たんだぞ。被写体はお前たちだ」
「リボーンくんに誘われて…お邪魔だったかな?」

ちょっと楽しみだったんだけど…邪魔になるならやめておこう

「いや、そんなことは…!」
「問題ねえぞ、なまえもボンゴレファミリーに入るからな」
「ボンゴレファミリー…?」
「は、はああ!?」

わあ沢田くんすごい顔。ボンゴレってあさり、だっけ。ボンゴレビアンコって美味しいよね。

「お、おいリボーン!」
「…あさりかぞく?」
「なあ、ツナ、あの小僧ってツナの弟か?」
「いや違うけど、てか山本もみょうじさんも自由すぎ!」
「弟じゃねーぞ」

ぴょん、と私の腕から飛び降りてリボーンくんは山本くんの前に歩いていった

「オレはマフィア、ボンゴレファミリーの殺し屋リボーンだ」
「ちょっとリボーン!?」
「はは、そっか!そりゃ失礼した!」
「へ!?」

前もマフィアって言ってたけど、また設定増えたんだ。殺し屋ってことはスナイパー?なんだかかっこいい。

「こんなちっせーうちから殺し屋だなんて大変だな」
「そーでもねーぞ。そしてお前もボンゴレファミリーに入るんだぞ」
「ちょっ、おいリボーン!みょうじさんだけでなく、山本まで!」
「まあまあ、相手は子供じゃねーか」

そういえば獄寺くんは?…あ、なんか機嫌悪そう

「オレらもガキん時やったろ?刑事ごっこだの、ヒーローごっこだの」
「いや、そうじゃなくてさ…!」
「ファミリーの10代目のボスはツナなんだ」
「ほー、そりゃまたグッドな人選だな」

なるほど、獄寺くんの10代目呼びはここからきてたんだ。

「よーしわかった。んじゃオレも入れてくれよ、そのボンゴレファミリーってのに」
「山本くんが入るならわたしも」
「ふ、二人とも!?何言ってんの!?」

ふふ、こういう男の子の遊びに交じるのも楽しいね

「で、何すりゃいいんだ?」
「まず入ファミリー試験だぞ」
「へー、試験があんのか!本格的だな!」
「試験に合格しなきゃファミリーには入れないからな。よっ、と」

そう言うとリボーンくんはまたわたしの腕の中に戻ってきた。

「あ、オメーはしなくていいからな、なまえ。構わずに写真を撮ってくれ」
「撮っていいの?ありがとう」
「なまえは非戦闘員だからな、問題ねえ」

やった、じゃあその試験とやらの様子を撮らしてもらおう…!

「ちなみに不合格は死を意味するからな」
「んなー!?」
「ハハハ、マジでお前面白いな!気に入ったぜ!」

山本くん楽しそう…でもついでにわたしの頭もなでるのはやめてください。ちょっとはずかしい。

「試験は簡単だ。とにかく攻撃をかわす、以上だ。んじゃ、始めるぞ」





ビュンビュン、ザシュッ、ドオオオン
…すごい効果音。
今時のオモチャって進化してるんだなあ。リアルな写真が撮れてわたしも嬉しいです

「ぎゃあああああ!!」
「じ、10代目ー!!」
「…わー、すごい音がしたね」

迫力満点だ。うわ、けむたい。

「ふー、危なかったぜ」
「た、助かった…」
「試験合格だ。お前も正式にファミリーだぞ」
「サンキュー!」

なんだか合格したみたい。何を基準にしてるんだろ

「…よくやった。10代目のことを守ったんだ、ファミリーと認めねーわけにはいかねー」

わたし守れてないのに入ってるけどいいのかな…非戦闘員って言ってたしまあいっか

「でも10代目の右腕はオレだからな、おめーは肩甲骨だ」
「ハハハ!獄寺ってやっぱおもしれーな!でも右腕はオレだぜ、おまえは耳たぶってことで」
「んなあ!?」

なんか更に仲良くなったみたいだね、よかったよかった。

「…でもなんで耳たぶ?」
「みょうじさんそこ!?」

え、気にならない?

「んじゃ、オレは部活行くな!」
「行ってらっしゃい、頑張ってね山本くん」
「おう!ありがとな!」
「おい、みょうじ。テメーのことはまだ認めてねーからな」
「あ、そういえば獄寺くん、明日一緒に日直だからよろしくね」
「はあ!?マジかよ、めんどくせえ…っておいスルーすんな!」
「ご、獄寺くん落ち着いて!」

 

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