お寿司屋さんでお手伝い 1


体育祭も無事に終わり、いつも通りの日々がやってきた。あの後大事をとってわたしは見学になり、応援に徹しました。障害物競走出たかったな…残念。
棒倒しは綱吉くんが頑張ってたけど、それよりも雲雀先輩が制服で向こうチームの総大将として出てきたことに驚いた。雲雀先輩、制服汚れますよ…。
そんなこんなで終わった体育祭はどのチームも引き分け、という異例の結果に終わった。ちょっと腑に落ちないけど、先生がお疲れ様と言ってくれたアイスが美味しかったのでもう気にしないことにしよう。運動後のアイスは冷たくてとても美味しかった。





「ありがとな、なまえ!助かったぜ」
「いえいえ、今日は暇だったし全然大丈夫だよ」

今日は朝から野球部の買い出しがあるという武くんのお手伝い。テーピングとかを選ぶのに意見が欲しかったんだって

「あ、そうだ。そろそろ昼時だし良かったらウチで飯食ってかね?」
「武くんの家で?」
「おう、俺ん家寿司屋やってんだぜ」
「え、すごいね」

お家がお寿司屋さんなんて素敵だ。武くんもお寿司握れたりするのかな。

「でもわたし、今日そんなにお金持ってきてないんだよね…」
「そんなのいいって!好きなだけ食べてけよ」
「え、でもお寿司って高価なものだよ?」
「この前の差し入れのお礼ってことでさ!」
「そう?うーん…じゃあお邪魔します」

差し入れってそんなに費用かかってないのに申し訳ないなあ…また今度作っていこう





「ただいま」
「お、お邪魔します」

初めてくる回らないお寿司屋さんにちょっと緊張しつつ入るとなんだか店内が少し騒がしい。なんだか揉めてる?

「どーした親父、何かあったのか?」
「おお、おけーり武。食い逃げだよ」
「えっ、山本になまえちゃん!!」
「ツナじゃねーか」
「あれ、綱吉くんだ」

綱吉くんもお昼ごはんかな?それに、武くんってお父さん似なんだね

「こ、ここって山本ん家の寿司屋だったの!?」
「武の知り合いか?それに、そちらの嬢ちゃんは…?」
「あ、初めまして、みょうじなまえと言います」
「ああ!そーかそーか!嬢ちゃんが武の言ってたなまえちゃんかい!」
「ちょ、親父!余計なこと言うなよ!」

武くん家って仲のいい親子なんだなあ。まるでうちのお兄ちゃんとお父さんみたい

「よし、とりあえず武の親友から金をとるわけにはいかねーな。さっきの分はおっちゃんが奢ってやるよ」
「ほ、ほんとですか!?」
「おう、武が世話になってるみてーだからな!」
「ありがとうございます!!」

綱吉くんの話によるとリボーンくんが連れてきてくれた、と思ったら食い逃げしてしまって困っていたらしい。まあ、赤ちゃんだしお金は持ってなくても当然だよね。

「ただしだ、」
「?」
「…あの分は払ってくれよ?」
「んなー!?」

おじさんが指さす方を見ると、カウンターでお魚を沢山食べるリボーンくんたちの姿が

「ごち!」
「あ、ちょ、こらー!!」

視線に気が付くとダッシュで逃げていったリボーンくんとビアンキさん。ビアンキさんって足早いんだなあ。さすが獄寺くんと兄弟なだけあるね

「値の張るものばかり食べていったなー…
こりゃ7万にはなるぞ」
「な、7万!?」

あまりお金を持ってきていなかったため、払えないらしい綱吉くんはお客さんの助言?によりお手伝いで働くことになったらしい

「まーまー、俺も手伝うからさ」
「綱吉くんわたしも手伝うよ」
「ふ、2人とも…!」
「なまえわりーな、昼飯はまた今度ご馳走するのな」
「全然大丈夫だよ」

でもわたしも武くんもまだ何も食べてないなあ…あ、そうだ。

「おじさん、少し台所と材料をお借りしてもいいですか?材料代はお支払いするので」
「おう、構わねーよ!材料も少しなら大丈夫だ」
「ありがとうございます!」

軽くだけど何か食べとかないとね。腹が減っては戦はできぬ、って言うし

「はい、武くんどうぞ」
「おっ、ありがとななまえ!美味そうだぜ」
「なまえちゃん料理できるんだね…!」
「そんな大したものじゃないよ」

作ったのは味噌汁と野菜炒め。そして少しご飯を分けてもらった

「良かったら綱吉くんやおじさんもどうぞ」
「あ、ありがとう!」
「ありがとよ!…お、この味噌汁うめーな。
こりゃーいい嫁さんになるぜ!どうだい?うちの武なんて」
「おい、やめろよ親父…!」
「ふふ、ありがとうございます、お世辞でも嬉しいです。でも武くんは素敵な人なので、お嫁さんなんてすぐにいい人が見つかりますよ」
「ハハッ、こりゃ難しそうだな!」
「もうやめろよ…」

武くん顔が真っ赤になってる。確かにお嫁さんの話なんて早すぎるよね。おじさんって結構心配症なのかな

 

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