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「ごちそうさまでした」
「ごちそーさま!よし、じゃあ働くか!」
「2人とも巻き込んじゃってごめんね…」
「いいってことよ、どーせうちの手伝いだしな!」
「わたしも暇だったし大丈夫だよ」

仕事は分担して、綱吉くんが洗い物、武くんが洗ったものの収納、わたしが使ったものを運んだり洗い終わったものを武くんに渡す、というようにした。

「結構重労働なんだね、お寿司屋さんって」
「確かに…働くって大変だね…」
「まあ頑張ろーぜ!」
「おめーばっかに良いかっこはさせねーぜ」
「獄寺くん!?」
「俺も手伝いますよ10代目!」

突然声が聞こえた、と思ったら暖簾をくぐって獄寺くんが現れた。みんなお昼にお寿司食べるのことが流行ってたりするのだろうか

「リボーンさんに聞きましたよ、山本ん家のアコギな商売に騙されたって」
「ち、ちがうって!」
「人聞きのわりーこと言うなよ!」
「とにかく10代目、洗うのは俺に任せてください」
「ありがとう獄寺くん…」

獄寺くんって一人暮らしだっけ?それなら洗い物とか慣れてそうだよね。

「あ、獄寺くん袖落ちてきそうだよ」
「…ちっ、てめー手が空いてんなら捲りやがれ」
「うん、いいよ」

そういえば獄寺くんって私服オシャレだよね。アクセサリーとかよく付けてるし。…これ、洗い物するのに外さなくていいのかな?

「はい、これで大丈夫だよ」
「よし…どりゃっ」

パリーン

「ん?」
「なあ!?」
「は、はは、ちょっと手が滑っちゃいました…そりゃっ」

ガチャーン

「…あれ?」
「何やってんのー!?」
「…わたし箒持ってくるね」

…もしかして獄寺くん、こういうの苦手だったりして。

「す、すみません10代目…実は厨房はアネキが
いつも居たので全然入ったことなくて…こーゆー仕事は疎いんすよ」
「先に言おうよ…!」
「げっ」
「箒持ってきたよ…武くんどうしたの?」
「…これって親父のお気に入りのヤツだ…多分3万で弁償だな」
「ええ!?借金増えちゃったよ!!」

たしかに高級そうなお皿だね…でも食器って3万もするんだ。

「獄寺くんお願いだからじっとしてて…!!」
「そ、そーっすか…」





なんとか無事に仕事に終わりが見えてきたと思ったらまたまた事件が発生。出前用のマグロを獄寺くん達が食べてしまったのだ

「更に借金追加ー!?」
「しかも20万って…結構高いね」
「弟の責任は私がとるわ」
「え、び、ビアンキ!?」
「ビアンキさんお久しぶりです」
「あら、なまえ。久しぶりね。隼人とは相変わらず仲良くしてる?」

ビアンキさん、さっきはすぐに帰っちゃったからなあ。多分私がいたことにも気づいてなかったんだろう。話すの久しぶりだな、と思っていたら獄寺くんが帰っていった。やっぱりビアンキさんの事苦手なんだね

「まだ諦めるのは早いわ。残ったマグロで何かできないか考えましょう?」
「なるほど、リメイクですね」
「ポイズンクッキングはダメだって!!」
「安心なさい、私、愛するリボーンの近くで生活するようになって変わったみたいなの」

そう言ってビアンキさんが作ったのはとても綺麗なお寿司だった。すごい、お店で売ってそうだよ…!

「うおっ、こりゃうますぎる!」
「え!?ほ、ほんとに…?」
「おお、まじうめー!」
「ほんとだ!心境の変化でポイズンクッキングじゃなくなったのー!?」
「なまえは食べないの?」
「ごめんなさい、今お腹いっぱいで…」

すごく食べたいのに残念だ。さっきご飯食べたばかりなのにまだ入るなんて男の人って凄い。

「お嬢ちゃんがこいつで100人前拵えてくれるなら借金はチャラにするぞ!」
「ええっ!?マジですか!!」

そして完成したビアンキさん特製のお寿司。すごい、100人前ってこんなに沢山あるんだ

「おつかれさん!」
「ビアンキさんお疲れ様です」
「ありがとう、なまえ」
「これで借金はチャラだ!…ふがっ!」
「綱吉くん?」
「は、腹が…っ」

綱吉くんに続くように武くん、そしておじさんも倒れてしまった。ど、どうしちゃったんだろ…

「ビアンキ、おまえいつの間にか新技を完成させちまったみてーだな」
「まあ、私ったら…」
「な、何じゃそりゃー!?」

その後、綱吉くんは武くんの家でしばらくアルバイトすることになったらしい。アルバイトかあ…わたしも何かやってみようかな

 

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