プウコギへようこそ | ナノ


 パイパンに興味があると伝えられたのは10分も前のことだった。彼はわたしにムースを手渡して、指定される場所にムースを塗っていき、その場所をカミソリで剃られていく。彼は実物のパイパンを見た事がないそうで、わたしがいい実験台なのだろう、人を食べる時と同じくらいに目を輝かせてカミソリを握りムースの部分をゆっくりと丁寧に刃を向け上下左右に滑らせた。
 わたしの体に傷がつく事など、人間、そして鬼である彼が気に掛けるわけもなく、ペットのわたしは言われるはまま、されるがままだった。ムースを水で落とした時にはまだポツポツと上手くそれていない部分があるが、綺麗にパイパンになったのである。彼は嬉しそうにわたしの膣の中へ中指をいれた。
 十分に濡れていた。彼の手が下半身にある時から液が滴り落ちているのも気付いていたし、その垂れたのを彼が指で掬って太ももに付けられていること、舐められていることも、彼を見下ろしているわたしはすべて眼に入っていた。

「あ…」
「次はもうちょっとここを剃ろうね。そうしたら完璧だ。明日にでもやろう。僕は仰向けになるから、まんこを顔の前まで持ってきてそのまま座って」
「は…はい」
「そう、いい子だね」
「征十郎、息できませんよ」
「大丈夫、心配いらない。苦しくなったら持ち上げるから」

 彼は仰向けになってわたしの腰に両手を付け、自分の顔の方へと引き寄せた。初めてわたしは彼を見下ろした。いつも見ている光景は前髪を垂らしわたしを見つめて笑う彼だったのに、今日は、今回は、仰向けになることで前髪が分けられて笑っている。「座って。早く。体重を乗せるんだ」思わず手で口元を押さえ、目をぎゅっと瞑って彼の顔に体重を乗せた。彼はこれをしたかったんじゃないだろうか。
 彼が汁を吸う音が響き、同じようにわたしの漏れる喘ぎ声も響いた。クリトリスを噛まれながら、無理矢理膣に舌も入り、ドロリと感じる糸を引く汁は彼の顔を汚した。耐えきれなくなり、顔から退いて四つん這いになって彼の顔を跨ぐと、中指が膣に入り軽々と身体を起こしてわたしの背中に覆いかぶさった。

「だめだろ、途中でやめちゃ」
「あ、ご、め」
「ホラ、先端を少し入れたから腰を動かして奥まで入れろ」
「…はい」

 腰を動かし彼のペニスを奥まで入れた。その間に乳首が摘まれ、コリコリと弄られながらピストン運動を始める。これは彼に言われていない行動であったが、暗黙の了解というか、そういう類のもので、しなければならないことだったから、わたしは自然と行っていた。
 セックスをしている時は何も考えないでいられるから嫌いじゃない。むしろ好きなのかもしれない。「征十郎、いき、ます」わたしが言うと、彼はペニスを抜いて四つん這いになっているわたしの腰を掴み、力で押して正面を向かせ、彼は立ち上がり、ペニスを掴みわたしの方へ向けて、大きな手で前髪を巻き込みながら髪を掴んで、強引にペニスを口に入れた。
 わたしの膣の中は、汁は、こんな味がするのだろうか。それとも彼の味?片手でペニス、もう片方は睾丸に手を持っていき、なるべく歯を立てないようにゆっくりと顔を動かした。舌で筋をなぞる。ペニスが少し大きくなり固くなった気がする。わたしはフェラが上手ではなく、彼とイラつかせてしまう原因の一つなのだが、彼はわたしにフェラをさせない日はない。カウパーが喉を通っていき、ペニスを出してから喉を鳴らしてもう一度ペニスを握ると、彼はペニスを掴んだわたしの手を取って、わたしの目線に合うようにしゃがんでキスをした。舌を入れないキス。リップ音を鳴らしながらのキスだった。


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