プウコギへようこそ | ナノ


 彼が言ったように「弱らせてから」というのは、あまりにも残酷だと思ったのだが、実際わたしは彼に衣食住を与えられていることに気付いてからは何も抵抗ができなくなっていた。普通なら施設に入るものなのだが、ここ最近、施設は何者かに襲われてしまい施設で働くものやそこに住んでいる者達は死体となって発見されるというニュースが毎日のように流れていた。

 原因は一年前に発病したウイルス、つまり、彼のような人たちが生まれてしまうウイルスが原因だった。対象者はランダム。病院でうったワクチンにこのウイルスを入り込ませた何者かの犯行によるものだと彼は言う。しかし、鬼となってしまった彼ら、いや、彼はそれが苦となるわけではないと言った。社会はどんどんおかしな現象を繰り返しているのだからこれくらいは当たり前だと言い、現実を受け止められる能力を持っている彼は自信に満ちた表情で冷蔵庫を開ける。人間の腕が入っていた。熱いお湯の入っている鍋の中に入れて、用意してあったサラダの上にでも乗せようと考えているのだろう。

 わたしはまだ、生きていられる。生きていられる、彼に、生かされている。

 わたしは人間が食べられないので、彼は鶏のささみを買ってきてくれて、人間の腕を鍋に入れる前に茹でてくれて、ドレッシングをかけて食べた。これじゃ全然弱らせることできないのに。



「ただ弱らせて食べるだけじゃ面白くないから、僕のペットとして家に置いてやる」

 首輪も無しにわたしは人間から一気に犬へとランク下がった。ご主人の気分でわたしは相手をされるということだ。彼は学校に通っているから朝から夜までずっと一人なのかと思っていたが、最近は人間を見ると食べたくなってしまうから学校はいかないと言う。彼はバスケ部の部長らしいのだが、最近は副部長に部を任せているらしい。そして近々学校をやめると言った。お金には困らないらしいので、学校をやめたら人間を食べる為だけに生きるのだと、人間を食べながら言った。
 わたしの家族は彼に食べられた。逃げられない、受け止めきれない現実なのである。

「あっ ああっ!いや、ダメっ、いや、いやぁ うっ ああ!」

 鬼は子孫を作るためには鬼との受精をしなければならないらしく、人間であるわたしは如何なる時でも精子を卵巣にぶちまけても子どもは作れないと彼から教えられた。おかげで精子を中へ出される毎日だ。セックスをすれば部屋は一気にくさくなる。彼の精子はくさいしまずい。透明の液をカウパーというらしく、それも不味い。彼を押して口内にある太くくさい汚いものを吐きだそうとしても後頭部を押さえられ、涙を流しながら口の中いっぱいに精液が溜まる。
「おちんちんって言え」と要求しわたしはそれに答える。答えなければ拳が飛んでくるからだ。

「征十郎のおちんちん美味しいですって言え」
「征十郎のおちんちん、おいしいです」
「どんな風に」
「あっ…あまくて」
「へえ」
「おいしいです」
「それじゃ毎日のデザートにしようか」
「ああっ!」

 彼はわたしに覆いかぶさり、大きくなったおちんちんを一気に奥まで突いた。彼にしがみついて涎を垂らしながら精一杯喘ぎ、彼は笑い声を漏らしながら精一杯腰を振る。お腹が変になる。ピリッとした快感に陥り、勢い良く潮を吹いた。ピタリと動きは止まり、おちんちんを抜いた彼は秘部を丹念に舐め、垂れる汁を吸う。

「あ あ やだ、飲まないで」
「……クソがつくほど不味いね」

 でもおいしいよとクリトリスを摘み左右に激しく揺すられて肩が上がるほど大きな声を上げてベッドへ体重を乗せる。あ、ひ、ひっ、せいじゅうろ、う、死んじゃう、ごめんなさい。大きな声の後のか細い小さな声。わたしの弱点はクリトリスのようだ。
 わたしから分泌される液がどろりと出てくるのがわかる。彼は大きくなっているおちんちんをいれて、クリトリスから指を離しわたしを起きあがらせて一度強く、突いた。わたしの頭は彼の肩に乗った。気持ちが良くて涙が出てきた。

「征十郎のおちんちんいっぱいください」


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