笑って、泣いて、転んで、飛んで、手を伸ばせたのが黒子くん。飛んで、転んで、泣いて、笑ったのはわたし。最後の笑顔は自分の限度と自分の情けなさに同情してもらいたくて、だから笑った。わたしは本当にどうしようもない奴だって。黒子くんを見ないように努力した。わたしには彼が眩しすぎた。 リロリロリロリン。わたしの携帯の電話とメール共通の着信音が鳴り、ポケットに入れていた携帯を開くと、画面には黄瀬くんと名前が表示されていた。中学時代からの付き合いで、時間がある時にだけ放課後練習を付き合ってくれたりした、わたしにとっては仲の良いお友達。通話ボタンを押して電話に出ると、明るい黄瀬くんの声が耳を覆う。 「『よっス』」 電話越しと、そして後ろで重なる二つの声。 「黄瀬くん?」 「『う、し、ろ』」 後ろを振り向いてあっと声をあげると、黄瀬くんは意地悪そうに笑って、一ヶ月振りに会うのに、彼は「お久しぶりっス」なんていう。 いつか、こう、うん。 書き途中を保存するのもめんどくさくなってきたわたしはどうすればいい? どんな方向にも飛ばせるような場面でバチっと切っておく。もしかしたら続きが書けるかもしれないだろう!? |