マサレン前提?の龍レン
未来設定
露骨表現あり



「もしもし、」

見知った番号からの電話だったが、見知った声は聞こえなかった。
向こうはだんまりを決め込んでいるらしい。

「用件がないなら切るぞ」
「リューヤさん、今日暇?」

漸く話し出したと思えば、挨拶もなしにそんな事を聞く。
困った教え子を持ったものだ。
第一、今日は後数分で終わる時間帯である。

「おい、何時だと思ってんだ。今日はもう終わるだろ」
「うん、だからさ、」

ピンポーンと間抜けな音が聞こえた。
嫌な予感しかせず、インターホンのモニターを覗き込むと、電話口をインターホンから、来ちゃった、という声がして頭痛がした。

扉を開けると、神宮寺はずぶ濡れで、何かありましたという雰囲気を全身から漂わせている。
面倒だな、と正直思ったが、とりあえず部屋に上げた。
惚れた弱みというはのまったく困ったもんだ、と自分自身にため息をつきたくなる。
風邪ひくからととりあえずバスタオルを投げつけた。
髪からぽたりぽたりと雨粒が落ちていく。
バスタオルを与えたにも関わらず、何もアクションを起こさないやつにイラつき、強引に頭をタオルで掻き回した。

「どうしたんだよ、こんな夜中に。第一お前彼氏いんだろ?いいのか、俺の家来ちまって」

こいつの恋人は確か嫉妬深い人間だった。
あの綺麗な顔ですごまれた時はなかなかの迫力だった気がする。
お前の出る幕などないと、その瞳で語られていた。

「やっぱり」

来ちゃったと言ってから一言も発さなかったあいつが漸く口を開いた。
俯いたまま、小さく呟く。

「やっぱりさ、結婚しなきゃいけないって。わかってたけど」

あいつらが想像してただろう結末が来てしまったらしい。
聖川の嫡男であり以上、あいつはいつかは誰かと結婚して、こいつを捨てる。
こいつも、優しい人間だから、きっとそれを止められない。
そう、誰もがわかりきってた結末だ。

「オレも知ってる人だったよ。綺麗な人だ、それに結婚する事であいつの家が始めた新事業も安泰だろうね」

俯く顔から笑いが溢れた。
あいつの悪い癖だ、悲しい時こそ笑ってしまう。
多分それしか、方法を知らないんだろう。

「ねぇ」

顔を上げた、だが、やはりこいつは笑っている。
悲しそうな顔で。

「オレが、こんなにデカくなくて、ガリガリじゃなくて、おっぱいがあって、子宮があったら、世界は違ったのかな」

いつもならこいつが鼻で笑うような無意味で不毛な事を口に出す。
こいつそんな風にしちまうなんて、本当かなわねーなぁ。

「それでも、俺は男のお前を抱く」

抱きしめると当たり前だが、こいつはやはり男だった。
聖川の坊っちゃんが男のこいつを捨てるなら、俺は男のこいつを愛する事にするよ。

キスすると目を閉じて、しがみつくように腕を回してくる。
やっぱり、めちゃくちゃ辛いんじゃねーかよ。

そのままソファにおし押し倒すと、雨に濡れたパンツと下着を脱がした。
まだ何も反応していないそこに手を伸ばし、半ば無理やり扱く。

「んぅ、あ、あぁ…!」
「ほら、よく見てみろ、チンポで感じてんだろ?」

神宮寺の視線がそこに注がれると、拳の中のがぐんと固くなった。
先端からはじゅわりと先走りが漏れてくる。

「はぁ、っやだ、りゅーやさん…」
「やだって言う割には釘付けってかんじじゃねーか」

そのまま目ぇ離すな、と言うとまたやつのが一回り大きくなった気がする。
もう前はぐしゃぐしゃになっている。
先走りを指に絡めとって、後ろに指を突っ込むとはしたない声が漏れたので早々に2本に指を増やして中を大きく掻き回す。

「ひぃっ、あぁん、だめだっりゅー、やさんっ」
「何が、だめなんだ?」
「中そんな、に掻き回したら、だめぁあん!」

「なぁ。アナル、気持ちいいか?」

聞くまでもなく、前ももう射精寸前という程張り詰めている。
だが、あえてそう聞くことによってこいつが抱いてる幻想をぶち壊してやる。

「きもちい、いよ」

そういうとスカイブルーの瞳から一粒涙が流れた。

「大丈夫だ、俺が傍にいてやるよ」
「あぁぁ!」

そういってそのまま挿入すると慣らすのが足りなかったせいかキツく感じる。
だが知っている、こいつは愛情だってセックスだって痛いくらいの方が感じるんだ。

「ああ、ああ、りゅーやさんのが…」
「すげぇな、お前の中」
「だ、だってぇ」
「だが少し位緩めねぇと動かせないぞ」

神宮寺が息をつく度に中が収縮していく。

「無理だ、これ以上は…っ」

出来ない、と涙声で訴えられる。
チッと舌打ちし、神宮寺の先端を摘んだ。
ひぃっと言う声が漏れ、ペニスの快楽に意識が持っていたれた為か後ろが緩んだ。

「動くぞ」

そういう言って腰をゆっくり動かしはじめるとじゅぽじゅぽと卑猥な音が立ってくる。
腰をグラインドさせて前立腺と思いっきり突くと、太ももを引き攣らせて口をぱくぱくとさせる。
喘ぐよりも感じる事でいっぱいいっぱいになっているようだ。

「やらしい音、たってん、な」
「やぁ、もうやぁ…!」
「なんだもう我慢出来ないのか?」

そんなの見ていればわかるけど、これだけ優しくしているんだから少し位は
意地悪させていれてもいいよなぁ?

「我慢でき、ない、も、もぉ出るからぁ!」
「ほら、出していいぞ…」
「んぅー!」

俺以外の名前が呼ばれないよう、噛み付くようにキスをして体も抱き寄せると、ぐりっと音を立てるように中を抉ったのがわかった。
神宮寺はぷしゃ、と射精して熱い精液を腹にぶちまける。
中が痙攣しながら思い切り締め付けてきて俺もそのまま中に出した。

射精の余韻に浸ってると神宮寺が随分とまぁ不抜けた顔でこちらを見てくる。

「眠いんなら、寝ていいぞ」
「んー、たぶん、ねるよ…」
「そうか」 

重たそうな瞼が閉じられる前に、好きだ、と言って額にキスした。
我ながらクサいと思ったが、もうあいつは多分夢の中だろう。

細い体を小さく縮こませて寝息を立てている。
少し痩せたんだろうか。
改めて抱きしめると骨があたって痛いが、そんな所も昔から愛してるのだから俺もどうしようもない人間だ。
自分が愛されていない事を知りながらも、懸命に愛を叫んでしまうなんて、愚かしい人間だと、自分でも思う。
きっと、セックスの最中も俺の名前を呼びながらもあいつの名前を呼んでいたんだろう。
初めから知っているんだ。
こいつだってあいつだって離れられないんだ。
愛されたいと願っているくせに、あいつからの愛じゃなきゃ意味がないなんて、こいつもわがままなやつだな。

ふっと笑って、抱きしめる腕に力を込めた。

いつか来る終わりまで、俺はこいつを愛し続けるよ。




砂の城





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