82 | ナノ
私の女王様
R15くらい?
致してないけど卑猥な表現あり
「仁王くん、ダメですよ」
柳生の唇にキスしようとしたら制止された。
その時に発せられたは声とても柔和なものだった。
でもそれが俺の意見が入る隙間なんて皆無だという事を俺は知っている。
柳生は俺がほしいと思ってる時はいつも与えてくれない。
もっとも、俺は柳生の事いつでもほしいから、いつもダメだって事かもしれないけれど。
でも、制止されればされるほど、俺の体は熱くなっていって頭の中は柳生の事の事でいっぱいになる。
「やぎゅう、」
熱っぽい口調で彼を呼んでも、すました顔で「なんですか」なんて聞いてくる。
その声がまるで楽器のようにきれいな声だから俺はまた柳生がほしくなる。
「ほら、だらしのない顔をしています」
節ばった指が俺の頬に触れそうになる。
「柳生、触りたい」
「ダメですよ、最初に言ったでしょう?」
ああ、こいつは俺がこういう風に扱われる事を喜んでいるって気付いてるんだな。
小さな唇がUを発音するの形になった時、たまらなくて、本当にたまらなくて、スラックスと下着を脱ぎ捨てた。
俺のはもう勃っていて柳生によく見えるように足を開く。
そんな事してるのに当の柳生は眉ひとつ動かさない。
「触って」
「聞き分けのない人ですね」
「俺が触るのはダメって言われたけど、柳生が俺に触るのはだめって言われてないけぇ」
呆れた、と言わんばかりの顔をして眼鏡のブリッジを押し上げた。
「しつけのなってない犬は好きではありません」
そう言って俺の股間を一度だけ軽く撫で上げて、コンドームがなくなっているので買ってきます。と言ってすぐ離れてしまった。
「買いにいってる間に部屋を精液くさくしないでくださいね」
そのコンドームを使う相手が俺なのかと思うとそれだけで射精してしまいそうだった。
いつ帰ってくるかなんてまったくわからないけど、早く帰ってきた柳生にご褒美でもお仕置きでも構わないからたくさん犯してもらいたい。
でも、そんな事を考えられる、柳生を待ってる時間は何とも甘美なものなんだ。
きっと柳生は俺がこんな事されて喜んでるって気付いてる。
「柳生だって、」
そんな時の俺が一番好きだなんて、バレバレなんじゃよ?