ハナサキ | ナノ

※白石宅にて

「先輩、このゲームおもんないですわ。あれ無いんですか?ゾンビ打つやつ」
「文句言うならゲームするん止めや財前。ちゅーか謙也、ポテチ触った手でコントローラーに触るな」
「白石の家はおかしなマシーンが多かね〜」
「ん、ああまあただの趣味や。どや千歳、使うてみるか!」
「遠慮しとくばい」
「あ、先輩。このマシーンの持つとこ折れましたわ。これめっちゃ脆いですやん」
「うおっ、財前お前何しとるんや!俺のいっちゃんお気に入りを…。弁償やぞ」
「嫌ですよ。こんな脆いん買った先輩があかんのですわ。…あ、ボールもありますやん。先輩これ使うんスか?きもっ」
「財前お前、俺が先輩やいうん忘れとるやろ」
「そうでしたっけ?最近記憶力の低下が著しいんですわ」

「おーすっげー。ぽよんぽよんする」
「謙也、次は俺の番たい」

「…先輩らきもいっスわ」
「何やと財前!…って、うわ」
「ハハハ、謙也が球から転げ落ちたとよ」
「謙也、自分へたくそやなあ」
「やけど白石、これめっちゃむずいやん。両足離すとかできるん?」
「おう、できるでー。これがまた、花が上手いんや」
「…花先輩、この部屋に出入りするんスか?」
「お、何や財前。気になるんか」
「別に気にしてませんわ」
「正直やないな〜財前」
「ちょお謙也さんうるさい。死ね」
「…なあ千歳、後輩に死ね言われたんやけど」
「まあ財前はそういう奴ばいね」
「…ほんで、先輩来はるんすか?」
「…んー、まあ来るいうかほとんどこの家におるし」
「?」
「花のおかんとうちのおかん、双子やねん。で、花の両親はビジネスマンであちこち飛んどるからうちで花のこと預かっとるんや」
「白石も花もおかん似やんな」
「ああ、確かに先輩ら従兄弟や思えんほどよう似てますよね。最初、双子や思いましたわ」
「俺も双子や思っとったばい」
「よう言われるわ。不本意やけどな」

「…先輩ら同じ家におって変な気起こさんのですか?」

「財前、お前何聞いとるんや!」
「謙也さん、顔真っ赤なんきもいっスわ。童貞」
「アホ、童貞ちゃうわ!」
「嘘はあかんぞ、謙也」
「白石まで。そういうお前等はどど童貞とちゃうんか!」
「俺はちゃいますよ」
「俺は聞くまでもないやろ?」
「…千歳は?」
「さあ、どうやろねえ」
「謙也一人やー」
「チェリーやー」
「ちょ、まだ千歳が分からんやん!ていうか何なん?特に財前、お前後輩やのにいつの間に…」
「謙也さんに教える義理はないっスわ。あ、童貞呼んだ方がええですか?」
「しばく…!」
「まあまあ謙也。今度誰か紹介したるわ。どんな子が好みなんや」
「俺は背が小さか子がよかとね〜」
「千歳の好みは聞いてへん。ちゅーか小さい子なんて大丈夫なん?」
「何がや?」
「いや、やからアレが入るんかってことや」
「な、…お前入る、え、っ?」
「謙也さん、本格的にきもいっスわ」
「そげんこつ、愛でなんとかすったい」
「愛、って、ええ?」
「謙也のその反応の仕方は異常やな…そない欲求不満なん?」
「欲きゅ…そんなことないわ!」
「ほな、紹介してやらんでええんか?」
「それは、…おん。紹介してください」
「むっつりやー」
「もうこの際、花に頼んだらええんとちゃう?」
「はあ?あいつはあり得へんやろ。ないないない」
「何でや。俺に似たべっぴんさんやろ?」
「せやかて花やぞ?たつもんもたたんわ」
「失礼なやっちゃなー」
「それより白石、花は純潔じゃなかとね?」
「何やその純潔て。やたらきもいわ」
「(俺もそれ気になってんけど)」
「あー、あいつまでちゃうかったら俺どないしよう…」
「いやー、それがそこは微妙なんや。まずあいつとそういう話せえへんし」
「へえー…」
「なんや謙也、顔が笑うとるで」
「ぶっ…わ、笑ろてへん!」
「あー、でもな」
「まだ何かあるとね?」
「花がバランスボール乗っとる時の腰つきはただ者やないで…」
「……!」
「…謙也さん、変な想像してません?」
「し、してへん!」

「…ん?誰にメールしとるん?千歳」
「ん?花に確認ばしよ思って…」

「「「やめえや」」」

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