※高尾が喘いでいるけれどシてはない

殺したいを吸い込んで愛してるを吐き出した独りよがりの細胞は未だプレパラートの上で泣いていた。それを抱き締めるとぼくの背中に食い込んで生きようとする恐怖がとても醜くて奇麗。だからいっしょに死んであげる事にしました。



高尾が跨ってキスをせがむ。早く早くと腰を振りながら俺の眼鏡を床に放った。見えないと言っても聞きやしない。ちうちうと肌蹴た俺に唇を落として、勝手に喘ぐ。攻め立てられているのは俺の筈なのに、高尾はおかしい。まるで自分が犯されているかのような声を出しながら、俺を犯していくのだ。

「真ちゃん、はぁ、ん、いいよ、かわい、い、んぁ、ん。ねぇ、」

きもちいぃ? 首を傾げることもせず真っ直ぐにこちらを見つめるそれは問いではなかった。視線を逸らす。返事の代わりにそこにあった高尾の首筋のやや下、鎖骨辺りに噛みついた。「んぁッ」と妙に艶のある声で高尾が僅かな抵抗を見せた後、にへらと笑ったのが分かった。溶けた声で「だいすきだよ」と告げる唇を視界には入れない。喉の奥に絡みついた唾液を呑み込んでああ、もう戻れないんだと満ちない空白に身を投げる。勿論実体は此処にあるから、現実的な意味ではなくて、あくまで精神論。目を閉じる。高尾は犬のそれと同じように俺の瞼をゆるりと舐めた。なにを強請るようなその行為に淡くミントが香る。人工的な香りと高尾の匂いが混ざって目眩がした。はぁ、と鼻にかかった色気のある溜息が俺の意識を現状に浮上させる。

「真ちゃん、ねぇ真ちゃん、もう待てない」

きう、と俺の左手をやさしく掴んで高尾が目を細める。もういいだろ、なぁ、挿れたい。緑間。熱っぽい声に押されて、俺はぼやける視界の中の高尾に頷いた。いまはまだ沈むことはできないらしい。


タイトル:子宮



わけが分からないのだよ…
高尾くんがビッチ臭いのに攻めって言う図です。えへへ、大好きなんです



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -